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2010年6月23日 (水曜日)

「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」第3回会合

「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」第3回会合の様子が報じられている。

 電子書籍の3省懇談会、著作権集中管理や統一中間フォーマットの検討を提言
 Internet Watch: 2010/6/22
 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100622_376075.html

上記の記事とは無関係なのだが,以下はあくまでも一般論。

私は,最も重要な事柄については文書化しないことにしている。大学やロースクールにおける講義の中で提供している最も重要な情報や知見もそうだ。だから,基本的に教科書を書かない。また,決して安くない授業料を払って受講している学生に対してのみ,他の大学や講座を受講するよりも相対的に優位な立場を獲得できるような特別に優れた内容を提供するのでなければ,まことに申し訳ないことだと思っている。これは,当然のことながら,大学としての自由競争の範囲内の問題であるし,大学教授としての学問の自由の範囲内のことだと考えている。

というわけで,教科書等の著作権の問題とは無関係で暮らしてきた。

ところが,わけあって,サイバー法の教科書のような書籍を出版することになってしまった。現在,分担執筆部分のゲラ校正の段階まで進んでいる。たぶん,出版されれば,すぐにコピーされてしまうのだろうと思う。

世間には,自分で新しいことを考え出すことのできる能力をもった者はごくわずかしかいないけれども,他人が苦労して生み出したものをパクる才能をもった者はかなり多数存在する。だから,そういうことになる。

もちろん,純然たる知識を他人が取得し,共有するのは別にかまわない。

しかし,これまで多数の著作や論文等の査読審査を経験したところによると,日本のトップクラスの大学の者にさえ,平気で他人の著作の大部分をコピーし,自分の著作として公表している者が少なからず存在しているという事実を知っている。

「オリジナルのものを書けないのであれば,自分には才能がないものとあきらめ,何も書かなければよいのに・・・」と思う。

学者とジャーナリストとは異なる。

しかし,現実には,学者である「学者」とジャーナリストに過ぎない「学者」とが混在しているという事実がある。

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