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2010年6月11日 (金曜日)

偽ブランド品をインターネット上で販売していた26歳の女が逮捕

下記の記事が出ている。

 偽ブランド品:ネット販売、容疑の女逮捕--秋田中央署 /秋田
 毎日jp: 2010年6月9日
 http://mainichi.jp/area/akita/news/20100609ddlk05040064000c.html

この手の犯罪の発覚率は飛躍的に向上している。おそらく,近い将来,ほとんど全部が検挙されるようになるだろう。

ところで,もちろんこのような違法行為を実行した者が一番悪いのだが,買い手のほうも反省すべき点があるのではないだろうか?

自分自身の考えや嗜好をしっかりと持ち,自分の頭で判断するという訓練ができていれば,有名ブランドという単なる「名前」に過ぎないものに踊らされるリスクを著しく低減することが可能だろう。

要するに名前は名前に過ぎず,それ以上でもそれ以下でもない。

最近,時期が時期だけに新卒見込みの大学生等の就職活動に関する報道が増えてきた。みんな大変だろうと思う。しかし,ちょっと思うことがある。それは,インタビューにこたえている学生の応答を聞いている限り,「どうして応募したの?」という疑問がわいてくる学生ばかりだということだ。

要するに,自分がない。

「自分のやりたいことが具体的なイメージとして存在しており,それを実現するための現実的手段の中で最適解だから」という理由で応募する学生が極めて少ないのだ。これでは,企業の採用担当者に簡単に見破られ,不採用となってしまうことは当然の結果だと思う。

企業は,「給料だけほしがる者」にお金をめぐんでくれる「やさしいオジサン」ではない。

従業員は,少なくとも自分の給料分くらいの額の売り上げをあげるのに寄与するような労働をするのでなければ,詐欺のようなものだ。このことは,公務員であれ民間企業の従業員であれ何ら変わることがない。

そのようにして,自分で自分の面倒をみるために働くのである以上,それが自己実現のために少しでも可能性を拡げてくれるような職業であることがベターだ。もちろん,若いうちから夢を実現できる者は(ごく一部の例外を除き)まずいないので,とにかく最初の10年~20年くらいは我慢をし続けるしかない。その間にノウハウを身につけ,自分の実力を高め,評価を勝ち取らなければならない。そして,チャンスを待つ。

そういった当たり前すぎることが何もわかっていない頭でっかちの学生を一人でも減らすべく,日夜,徹底したリアリズムでもって教育を実施している。

すべての希望が現実の前で消え去ろうとしているとき,それでもなお残っている自我というものを冷静に発見することができるとすれば,人は,自分自身の本質を公平に評価できるようになる。

そして,そうした本質的部分に正直に生きることの価値を見出し,かつ,その価値を重視した人生を歩むという目的達成のためにはそれ以外の雑念的な欲望が充足されなくてもどうということはないということを理解し,そして,自分自身の本質的な部分に正直に生きるという決断をするだけの勇気があれば,何も恐れるべきものはない。

ロースクールの学生にしてもそうで,司法試験に合格することや司法研修所を修了することは単なる手段の一種に過ぎない。そのあとで,一体何をするために法を学んでいるのかを冷静に分析・自覚できていることが大事だ。そして,自己の目的実現のために選択可能な選択肢(最適解)を現実に存在する「世間」という枠組みの中で具体的に見出していくための賢さをもつべきだということに尽きる。

とまあ,こう考えてくると,ブランドなるものは,本質的に何も価値をもたないものだということが理解できだろう。

ただし,本質的には何も価値がないということを十分に理解しているからこそ,派閥や学閥のようなものができる。それは,ブランドという「名前」に過ぎない障壁によって(本当は何も実力を有しない)自分達だけを守るためのギルド的構造物のようなものだと考えれば,たいていの場合,間違ってはいないだろう。

ちなみに,本当に実力のある者で構成される組織・団体等は,特にブランド力を意識した「名前」をもつことはないし,そのような名前の持つ「ブランド力」に頼ることもないのが普通だということもまた世間の常識に属する。

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