総務省:情報通信審議会情報通信技術分科会航空無線通信委員会(第14回)配布資料
下記の会議資料が公開されている。
情報通信審議会 情報通信技術分科会 航空無線通信委員会(第14回)配布資料
総務省: 2010年6月23日
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/koukuu_musen/31047.html
以下はあくまでも一般論。
かつて,政府の審議会,委員会または研究会等の委員に就任している大学教授等が圧倒的に優位な地位にたっていたかもしれない。
なぜなら,基本的に非公開とされていた会議資料等の配布を受けることから,情報格差上の優位な地位を維持できたし,また,その資料等をそのまま使った書籍を刊行してもバレにくかったからだ。外見上は,識見高く優れた著作を多数もつ教授のように見えてしまう。実際問題として,委員等でない研究者が得られる情報にはかなりの限定があったので,どうしても情報格差が生じていたのだ。世間の人はそのことを知らないから,委員等として豊富な情報を持っているというだけなのにもかかわらず,そのような情報を有している者が真に優秀だと誤信してしまうのが通例だった。マスコミもその例外ではない。
他方,政府は政府で,そのようなことがあっても特に問題とすることはなかった。それは,重要な情報の優先的配分を得ることができるということを「エサ」にして御用学者を確保することができたからだ。
現在,政府の審議会等の配布資料が公開されることが多くなった。これは良いことだと思う。もともと税金を使って政府職員等が職務上作成した資料なので,特別に機密とすべき事由が存在しない限り,納税者である国民に対し速やかに開示・公開するのは当然のことだと思う。納税者は,特定の者に対して事実上の特権を与えるために納税しているわけではない。
開示された資料等を使うか使わないか,また,それをどのように使うかは各人の自由だ。そして,そこには,学問研究上の激しい競争があってよいと思う。そのような競争にチャレンジするのも自由だし,競争に参加しないのも自由だ。
もちろん,競争とは無関係に,わが道を行くこともまた完全に自由でなければならない。
ともあれ,税金を投入して作成された資料等を優先的に配布されているということだけで社会的に優位な地位にたてるということが正義と公正に反することは明らかなので,今後も,政府審議会等での配布資料の公開を拡大・継続してもらいたいものだと思う。
それによって,きっと若い世代の中から非常に優れた研究者や実務家が出てくることになるだろうし,そのような真の意味で優秀な人材こそが将来の日本を背負ってくれるものと信ずる。
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