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2010年5月 3日 (月曜日)

オープンキャンパス

大学でも少子化の影響により「良い学生」を確保するために様々な努力が重ねられている。何らの努力もしていない大学は消滅するしかない。

そのような努力の中の一つとして「オープンキャンパス」がある。

これは,オープンキャンパスとして設定された期間内,大学の授業を高校生等にも公開するというもので,当該大学に進学を希望している高校生にとっては実際の授業に触れ,将来の自分のイメージをつかむために良い制度だと言うことができるだろう。担当する教員にとっては若干の心理的抵抗があるかもしれないが,要するに,普通に授業をすればよいだけのことだ。当該教員が普段から「良い授業」を提供しているのであれば,何ら困ることはない。

しかし,ある進学校の高校生がある超有名大学のオープンキャンパスに参加したところ,教室に教授が姿を見せることはなく,教室内で授業内容を収録したビデオが放映されるだけだったということがあったそうだ。その参加した高校生の落胆と失望感は著しい。

そんなことをやるくらいだったら,授業内容を収録したDVDを希望する高校等に配布すればそれで足りるのではないだろうか?

また,もし普段の授業がビデオだけだったとしたら,当該教授は現実に授業をしているとは言えないことになるので,文部科学省は厳しく行政指導をすべきだろうと思う。そのようなビデオ授業でも授業として認められるというのであれば,私も1年分の授業をビデオ収録して放映する準備をさっさとまとめ,あとはのんびりと遊んで暮らしたいものだ。(笑)

他方,サテライト授業としてそのような授業をしているというのであれば,サテライト授業だけをオープンキャンパスで提供しているということをきちんと事前に説明すべき義務があると思われる。そうでなければ,偽商品の販売に近い行為として評価されても仕方がない。

まあ,とにかく,天下の超有名大学がこの調子なのだから,それに近いことは様々な大学の中でいくらでもあるのだろう。

世間はFakeだらけだ。

ちなみに,私の明治大学における授業(講義)の一部が今年からオープンキャンパスとして公開されることになった。公式に高校生の授業傍聴を認めるのは初めての体験だ。普段と同じように授業をするつもりだが,正規の受講者として継続して受講している大学生(受講者)であれば絶対にしないはずの質問をする高校生があっても質問に答えなければならないだろうから,その点が実質的には授業に対する阻害要因となることだけを心配している。

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