マレーシア:高校と大学で,サイバー犯罪対策教育を導入
下記の記事が出ている。
MCPF Coming Up With More Cyber Crime Awareness Campaign
Bernasma: May 01, 2010
http://www.bernama.com/bernama/v5/newsindex.php?id=494919
教育は,専門企業が担当するとのこと。
日本において同様の教育を導入する場合にも同様とせざるを得ないだろう。というのは,ごく一部の大学を除き,ほぼすべての高校及び大学において授業を担当可能な能力を有する教員が全く存在しないし,専門能力を有する教員をそう簡単に養成できるわけでもないからだ。
法と情報セキュリティの2つの領域について十分な能力を有する教員であっても,正しく世界を見渡すための豊富な知識と経験を有し,かつ,これらの分野と関連する外国語文献を日常的かつ大量に読みこなすことが日課となっているような教員は,滅多にいない。関連官庁は,そのような人材はいくらでもいると考えているかもしれないが,私が認識しているところでは,口先だけの偽者であったり特定の外資系企業の手先に過ぎない者である場合が非常に多い。
したがって,法と情報セキュリティの2つの能力を兼備する者を見出せなければ,結局は,複数の法の専門家と情報セキュリティの専門家をアドバイザとして組織化され,マニュアル化された業務をこなすような人々を訓練することが可能な企業等に頼るということで我慢し,それを導入することで教育を実施したと満足せざるを得ない。
つまり,高校や大学にこの種の教育を導入するにしても,どの国においても,この分野における教育の担い手を大事に育成してこなかったツケがまわってきていることを思い知らされるだけだというのが偽らざる事実だ。
この分野における調査・研究・実践・教育への投資が重要だ。
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