« 中国:ネットカフェは斜陽産業か? | トップページ | 国立国会図書館:日本法令索引をリニューアル »

2010年5月19日 (水曜日)

インド:中国製の通信機器にはスパイチップが組み込まれているとして締め出し

下記の記事が出ている。

 インド、中国製通信設備・機器を締め出し “スパイ部品”組み込まれ
 産経ニュース: 2010.5.18
 http://sankei.jp.msn.com/world/asia/100518/asi1005182103007-n1.htm

このようなタイプの疑惑や憶測は随分昔からある。中国製の製品だけではなく,台湾製の製品でもそのようなことが疑われたことがある。

もともと国民を完全に監視しないと政府を維持できない国なので,中国で国内向けに製造された装置にスパイチップが組み込まれていることは(中国政府としては)当然のことだろうと思う。中国の法律に基づき,インターネットは,基本的に,中国政府の公安部(警察)によってすべて徹底的に監視されることになっている。また,中国の国内で用いられるPCには中国政府が推奨するフィルタリングソフトをインストールしなければならないことになっているのだが,このソフトがスパイウェアとしての機能も有していることは,諸外国の研究者によって既に明らかにされている。以上については,これまでも何度かこのブログで紹介してきたとおりだ。

問題は,同じ製造ラインで製造された各種電子機器が中国国外に輸出されているということだ。輸出用に別の製造ラインを構築しているとは考えにくい。

ちなみに,今回のインドの姿勢は,近時高まっているインド対中国の軋轢の中の出来事だと理解するのが正しいだろう。その最も大きな社会的・経済的要因は両国の急激な経済成長に伴うシェア争いであり,そして,開発途上国中における両国の発言力の強化と地位の維持という政治的目的での競争または争いも当然あるものと思われる。国というレベルでの軍事衝突の危険性はむしろ少ないとみたほうが賢明ではないかと思われる。

|

« 中国:ネットカフェは斜陽産業か? | トップページ | 国立国会図書館:日本法令索引をリニューアル »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 中国:ネットカフェは斜陽産業か? | トップページ | 国立国会図書館:日本法令索引をリニューアル »