NokiaとAppleの特許紛争がさらにエスカレート
下記の記事が出ている。
Nokia sues Apple for 'patent infringement'
BBC: 8 May 2010
http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/8669529.stm
この紛争の重要性は,単にデバイスに関する特許紛争にとどまらないという点だ。
iPhoneにしろiPadにしろ,今後のデジタルコンテンツのプラットフォームとして機能することが予定されている。電子ブックは,その応用例の一つに過ぎない。
ところが,そのプラットフォームとしてのデバイスについてNokiaの主張どおりの特許侵害があり,AppleがiPhoneやiPadの販売等ができなくなってしまったとしたら,それらのデバイスをプラットフォームとして提供されるコンテンツやサービスも同時に停止してしまうことを意味する。
オープンネットワークであるインターネットベースでコンテンツの提供をするビジネスモデルと特定のデバイスで囲い込みをしながらコンテンツの提供をするビジネスモデルとではここらへんのところが少し違っている。
どんな企業でも,自社が特許紛争や著作権紛争で敗れることや倒産したりすることを前提に企業運営をすることはないだろうと思うが,本当は,破滅する日がいつでもやってくる潜在的可能性があることを前提に企業経営というものを考えるのでなければ社会的責任を果たしているとはいえないだろうと思う。
このようなタイプの問題は,通常,「事業継続性」というカテゴリーに属すると理解されることが多い。しかし,私は,少し違っていると考える。「終局的な破滅の予測」というカテゴリーを強く意識することが重要だ。それは,「継続」という概念とはかなり異なる。
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http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/applenokia-335c.html
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