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2010年5月15日 (土曜日)

ドイツ:無線LANが誰かにハックされ音楽ファイルのダウンロードに利用されないようにすべき義務があるとして,罰金刑の判決

ドイツの著作権法と日本の著作権法とは少し違っているので一概には言えず,とりわけ刑事責任についてはそうなのだが,民事責任については共通の課題を考えることが可能だ。

一般に,無線LAN(Wi-fi)のセキュリティは完全なものではないとされている。そもそも非常に脆弱な製品も少なくないようなのだが,仮にセキュリティ機能のある装置を用いて安全に無線LANを構築することが客観的には可能な場合であっても,その利用者がその機能を十分に使いこなせるかどうかは別問題なので,やはり問題が残る。

そこで,生ずる民事上の法的課題は,「無線LANに対して不正アクセスがなされ,不正アクセスによりその無線LANシステムをハイジャックした者が第三者に対して損害を発生させた場合,その無線LANの管理者は,損害を被った者に対し,無線LANを安全に管理しなかった過失による損害賠償責任を負うか?」という課題だ。

この問題は,ISPの情報セキュリティ上の過失に基づく損害賠償責任の問題として一般化することも可能かもしれない。

この点に関して,興味深い刑事判決があったようだ。刑事判決ではあるけれども,その判決理由の論理には注目する必要がある。

下記の記事が出ている。

 Wi-fi owner fined for lax security in Germany
 BBC: 14 May 2010
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/10116606.stm

ちなみに,私は,可能な限り無線デバイスを利用しないようにしている。

それでもテンペスト攻撃があり得るので,情報セキュリティ上のリスクがなくなるわけではないし,大幅に減少するわけでもないのだが・・・

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