パブリッククラウドによるアプリケーションの提供から利益を得ることは可能なのか?
下記の記事が出ている。
Cloud Computing? Microsoft Office Is Not All In
Washington Post: April 8, 2010
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/04/08/AR2010040806013.html
このブログでは,パブリッククラウドの問題点をいろいろと指摘してきた。それら全てについて,現時点でも私見が正しいと思っている。
それはさておき,パブリッククラウドによるアプリケーションの提供は,決して貫徹できない障壁の前でビジネスがストップするだろうと考えている。
パブリッククラウドからアプリケーションを提供する場合,何らかのかたちで利用者のPCがインターネットに接続されていなければならない。しかし,例えば,電車や飛行機で移動中に仕事をする場合のように,インターネット接続できないところで仕事をするという需要はかなりある。このような場合,従来と同様に,個々のPCにアプリケーションを予めインストールするという方法以外に解決手段がない。また,通信のふくそうや,太陽風の影響などによって通信環境が悪化した場合,もちろんインターネット経由でのアプリケーションの提供が円滑にできない状況が発生する。しかし,それでは仕事にならない。
というわけで,アプリケーションを提供する企業は,パッケージ版とパブリッククラウド版の2つの種類のアプリケーションを常に開発・製造し続けなければならないことになってしまう。これは,コストという面で重大な問題となる可能性が高い。
要するに,ビジネスモデルそれ自体について,収支見込という観点からも再検討を要すると思われる。
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