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2010年4月 1日 (木曜日)

P2P監視システムを用いて初の摘発-シェアに映画コンテンツを流していた62歳の元消防署員の男が逮捕

下記の記事が出ている。

 映画500作、違法ネット配信4年間 “監視システム”で初摘発
 産経ニュース: 2010.4.1
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100401/crm1004011034008-n1.htm

この監視システムは,このブログでときどき紹介している英国のDigital Economy Billという法案の中にも含まれているネット監視の仕組みを現実に実装・運用しているものとして評価することが可能だろう。ただし,英国では,そのような監視がプライバシーに対する重大な侵害になるとして大変な議論になっている。

日本の場合,特に議論もなく直ちに実装・運用になってしまうあたりが欧米とはかなり異なっており,諸外国からは,どいちらかというと中国や北朝鮮に似た国だと評価されているらしいとの見解を耳にしたことはある。

が,現実には,「国防(ホームランドセキュリティ)のため」という理由で既に強力なネット監視をしているのは欧米でも同じだ。

要するに,建前論に関する「組み立て方の相違」のようなものがあるのに過ぎないのかもしれない。

ここらへんのことについては,法哲学者も政治学者も刑事法学者もほとんど何のコメントもしない。また,この分野に関する論文を探してみても,読むに足るものは皆無に近い状況にある。日本の学問状況はいったいどうなってしまっているのだろうか?

結論として賛成するにしても反対するにしても,ある程度議論を深め,徹底的に考察してからそうするのが理想論というべきだろう。そうしなければ,賛成意見にしても反対意見にしても,自分の意見に含まれている脆弱性や欠点や副作用のようなものを自覚・認識しにくくなってしまう危険性がある。しかし,現在の日本における現実をじっと観察していると,議論や意見交換はゼロ,一時的な単なる流行にのっかるだけの「お調子者」は数え切れないほど発生,結論は大勢に「右ならえ」みたいな感じのことが多過ぎる。

「日本では,いつのまにか知性というものが消え去ってしまったのかもしれない」とは思いたくないのだが・・・

なお,このような監視が現実になされているのは,P2Pのスペクトラムに対してのみであるとは限らない。賢い経営者は,「営業秘密などの機密情報をデジタル化しない」という方策を徹底すべき時代になったと言える。

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