インターネット上のアダルトサイトで知り合った男らが集まり,集団強姦を繰り返した事件の第1回公判
下記の記事が出ている。
『刃物使った記憶ない』 多摩地区の連続集団女性暴行 起訴内容の一部否認
東京新聞: 2010年3月10日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20100310/CK2010031002000048.html
とんでもない連中だ。
日本には去勢の刑というものがないが,真面目に導入を検討すべきではないかと思う。
ところで,ここから先はあくまでも一般論だが,世間には数え切れないほどの数のエロサイトが存在する。その中には単純に女性の裸体写真を掲示しているだけのものもあるけれども,大半は,何らかのかたちで性行為を描写する写真や映像などを掲示・販売するものだ。そして,中には,暴力的ないし奴隷的な行為を描写する写真や映像などを掲示・販売するものもある。
もちろん,他人の目から見れば暴力的と受け止められる性行為であっても,そのような性的嗜好をもつ者の間で相互にそういう行為を求め合うというのであれば,それはそれぞれの性的自由の範囲内の行為として理解すべきものだろう。
しかし,そのような意味で性的自由の範囲内にある行為であっても,その写真や映像などを商業利用するとなると別問題だ。刑法上のわいせつ物陳列罪の問題が発生する可能性があるというだけではなく,世間の単純馬鹿のような連中による暴行事件や集団強姦事件等を誘発させる危険性がある。
この問題は,「表現の自由」がかかわるので,安易な取締りは禁物だ。しかし,性的自由及びその表現の自由とはいっても,(どのような自由でも完全な自由など存在し得ないので)おのずと節度というものがあるはずだし,表現の仕方というものもあるだろうと思う。
他方,そのような暴力的な写真や映像の被写体になっている者が,例えば借金の返済のためなどの理由により不本意にもそうしている場合や脅迫・暴行を受けてそうせざるを得ない状況の下にそうしている場合には,強要罪になり得るし,事案によっては強姦罪や傷害罪等が成立し得る。また,本当のレイプ行為を撮影している場合には,それは,まさに犯罪行為(暴行,傷害,強姦など)そのものだ。集団強姦の際に,被害者の口封じのためにビデオ撮影する行為などがその典型例だといえるだろう。そして,その写真や映像等は犯罪行為の証拠写真となり得る。
更に,集団レイプを内容とする映像作品(商業ビデオ映画など)は,仮にそれ自体としては違法なものではないとしても,世間の馬鹿な連中に「自分もレイプをしてみたい」という気持ちを起こさせる要素があることは否定できない。
私自身は,「性的自由」そのものについては,可能な限り各人の「自由の領域」を広く確保すべきだという考えをもっている。けれども,相手の人格や意思を無視し,単に一方的な暴力だけというのであれば,それは性的自由とは異なる領域に属するものだと理解している。本質的に性的自由の範囲からはずれる露骨な暴力とその表現行為については,別途何らかの検討が必要な時期に来ているのではないだろうか。
なお,一般論として,私は,人間の心理の奥底に「破壊欲求」というどろどろしたものがあることを否定しない。しかし,壊したければ壊しても問題にならない対象を選択して壊すべきであり,人間を破壊してはならない。
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