プライバシーマークの取消し制度
個人情報保護のためにJIS Q 15001に基づいて運用されているプライバシーマーク制度には認証の取り消し(Pマークの使用契約解除)という仕組みがある。そして,その取消しがなされるとJIPDECのサイトに掲示されることになっている。ところが,この掲示は2年間しか行われないことになっているため,2年よりも昔の取消し事例は掲示されていない。その結果,過去2年間において取消し案件が1件も発生していない状況が続くと,まるで過去に1件も取消し事例がなかったかのように誤解を招くような状況が発生してしまうことになる。現時点(2010年2月12日現在)では,まさにそのような状態になっている。
しかし,歴史的事実として,過去に取消し事例があったことは事実だ。
現時点で個人情報を取り扱う担当者に対し,正確な事実認識を提供するために,2年を経過したら掲示を消去するという取扱をやめ,制度が存続する限り,詳細情報を提供し続けるべきだろうと思う。
こういうことを書くと「名誉毀損」だ何だと騒ぐ人がすぐに出てくるが,歴史的事実は歴史的事実なので,事実を存在しないものとするような嘘つきが社会に存在してよいはずがなく,そのような者の主張は黙殺されるべきだろう。
とはいえ,JIPDECとしては,面倒な苦情申し入れに対応するのはいやだろうということは理解できる(笑)。
そこで,妥協策として,「西暦何年には何件の取消し事例があったのか」という統計データを最小限掲示し公表すべきだろうと思う。それによって,今後Pマークの申請をしようとする企業等も,ちゃんとした心構えに基づいて申請をすることになるだろう。
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コメント
eisさん こんにちは。
「過去2年間取消しの処分を受けていないこと」がPマークの要件とされていることから,2年間分しか掲示しないことにしているのだろうと推測します。
しかし,問題は,Pマークの付与ではなく,当該組織が過去に事故を起こしたことがあるかどうかなので,本来的には全面的に情報を開示し続けるべきだろうと思いますね。
審査員も誤解してしまうような掲示では,審査・認証業務を遂行する公的団体が行う重要な情報の開示としてはすこぶる不適切だと思います。
投稿: 夏井高人 | 2010年2月12日 (金曜日) 14時02分
夏井様
ペーパーP審査員補なのですが、取消し制度で提示が2年間だけということ初めて知りました
。
また、取消し情報のサイトの文章も、隠したい気持ちがでていると思います。
『本日現在、プライバシーマーク制度に基づき、付与認定を取消し、プライバシーマーク使用契約を解除した事業者はありません。』
本日現在まで(過去)に感じます。他の情報は統計データ公表されているのに・・・
『Last modified: Mon Jun 15 15:55 JST 2009』
まさか、本日は去年ではないですよね・・・
投稿: eis | 2010年2月12日 (金曜日) 09時38分