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2010年2月18日 (木曜日)

フランス:裁判所の命令なしにインターネット上のギャンブリングをフィルタすることができるようにする法案

フランスでは,著作権侵害となるコンテンツを流通させているサイトを遮断するための法律(3ストライク法)が議論の的となってきた。以前から「このような動きは著作権侵害行為だけでなくおよそ全ての違法行為について拡張されることになるのではないか」との懸念が世界中の識者の間で広がっていたが,現実のものとなってきたようだ。今度は,インターネット上のギャンブリングサイトの遮断が現実味を帯びてきているようだ。フランスとデンマークでそのような動きがある。

 France and Denmark may filter online gambling websites
 EDRI: 10 February, 2010
 http://www.edri.org/edrigram/number8.3/gambling-blocking-denmark-france

私は,著作権侵害行為は違法行為だと思っているし,その加害者は相応に損害賠償義務を果たし,悪質であれば服役すべきものだろうと思っている。インターネット上のギャンブリングサイトでもマフィアややくざが経営しているものは警察が厳しく取り締まるべきだろう。そのこと自体に異論は全くない。

しかし,違法なサイトであるかどうかの判断がつきにくい事例が存在することは事実だ。裁判所の判断に基づく捜査令状や仮処分命令などがないままに,素人判断だけで実力行使することが横行するとなると,おそらく,カウンターとしてかなりひどいクラッキングが日常化することになり,結果的に,ネット全体が崩壊するような事態を招くことになりかねない。

裁判所による審査は,たしかに儀式に過ぎない部分があるかもしれない。しかし,「そのような儀式を経ることを要件としていることが本当は社会の秩序を維持するために非常に重要なことになっている」ということを忘れてはならない。およそ手続的正義というものはそうしたもので,それ自体として正義というわけではないのだが,それを経ることを要件とすることによって,社会秩序と相対的な正義が維持されるのだ。

このことは,情報セキュリティマネジメントシステムにしてもプライバシーマーク制度にしても全く同じことで,手法それ自体が何か価値があるとかそういうことではなく,そのような手法を適正な目的実現のために応用すれば,それを応用しない状態よりもはるかにベターな結果を期待することができるというだけのことに過ぎない。

手続きを軽視すると,結果的には,無謀な見込み捜査や別件捜査のようなものが民間レベルで隅々まではびこることになり,この世から人権というものが消滅してしまうような結果を招いてしまうかもしれない。

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