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2010年2月11日 (木曜日)

ロボットの技術革新がもたらすサイバーなリアル攻撃

世界各国で様々なロボットが開発されている。日本もその例外ではない。特に軍事目的で様々なタイプのロボットが開発されており,アフガンなどで実戦に投入されている。日本では,工場内で固定された作業用ロボットの普及が著しく進んでいるほか,老人介護などの目的で人間型ロボットの開発が進められている。更に,今後の少子化を踏まえ,労働者として使用できるタイプの人間型ロボットの開発も進められているらしい。社会の中でロボットが労働者として出現した場合にどのような社会問題が生ずるかについては,やはり手塚治虫氏の洞察が非常に優れているのではないかと常に思っている。例えば,『鉄腕アトム』は単なる娯楽漫画なのではなく,かなり高度な内容で良品質な社会派作品だと思うし,『火の鳥』の中に出てくるロビタの姿が手塚氏の主張のすべてを表しているようにも思われる。おそらく,ロボットの開発者は,手塚氏のこれらの作品の中で指摘されている問題点を全く意識していないか,または,本当は意識していても開発しなければ企業利益をあげられないために「あとさき考えずに」開発に邁進しているかのいずれかだろう。どちらにしても,何も考えないでなされるロボット開発は,近未来の人類全てにとって最大の迷惑であることは言うまでもない。

さて,このロボットなのだが,もしそれがロボットとして遠隔操作可能な存在であるとすれば,当然,リモートでの遠隔操作のコントロールに対するハッキングが起きることになるだろう。つまり,軍事目的で開発されたロボットはもちろんのこと,平和目的で開発されたものでさえ,ハックされたとたんに大量殺人が可能な軍団に変身してしまう可能性がある。大勢の人間を同時に洗脳し,死をも恐れないテロリストの手先に仕立ててしまうことは不可能に近いことだし,仮にそれをやろうとすると相当長い時間をかけて準備しなければならなし,それなりの資金も必要になるのだが,大量のロボットを同時かつ瞬時に犯罪や攻撃のための手段としてリモートで支配してしまうことは全く不可能なことではないし,もしかすると特に費用や手間などもかからないかもしれない。

要するに,もしリモートでの遠隔操作をしない自立型のロボットであるとすれば,個々のロボットを逐一細工しないとその支配を奪うことができないのだが,これに対し,リモートで遠隔操作可能なタイプのロボットは,そうであるがゆえに,世界規模で一斉にハックされてしまう可能性があるのだ。

このような問題に対して一体どのように対処したらよいのだろうか?

おそらく,ロボットの開発者達は,「セキュリティは万全だ」と主張するだろう。しかし,「これまで破られることのなかったセキュリティなど1つもない」という明々白々な事実を無視する者は,大嘘つきか大馬鹿者であるかのいずれだと断定してよい。

この問題と関連して,「まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記」に下記の記事が出ていた。

 サービスロボット対人安全基準をISO化?
 http://maruyama-mitsuhiko.cocolog-nifty.com/security/2010/01/iso-8960.html

対人安全基準は,ロボットも物品の一種である以上,大事なことはそのとおりだと思う。しかし,本当に問題なのは,対人安全基準というよりも,ロボットに対する支配がハックされてしまうかもしれない危険性なのだ。

そして,そのような悪用をする者は,どこか遠くにいる「テロリスト」だけとは限らない。ロボット開発会社の経営者や従業員を含め,意外と近くにいる内部者が黒幕ということだって絶対にないとは言えない。人間である以上,「悪」の要素を全くもたない者はただの一人も存在しない。

世界の全ての為政者は,このことを深く肝に銘ずるべきだ。


[このブログ内の関連記事]

 マルウェアは,PCに接続されたカメラやマイクを乗っ取り,現実の生活を傍受しているかもしれない
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-02b2.html

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