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2010年2月 1日 (月曜日)

官報の情報検索

「官報」は日本国で最も頻繁に発行されている新聞型出版物であり,かつ,最良・最大の法情報源だ。法律の公布も官報によることとされているから,官報を読まずして法律を知っているということができない(←市販の「六法」は出版社が編集・加工した二次的な法情報源に過ぎない。)。にもかかわらず,以前は紙媒体のみで提供されていたため,電子的な検索ができなかった。

過去何年かの動きをみると,官報の電子化が進められてきたということができる。最初は,部分的にPDFによる電子化がなされた。現在では,即時性の要求を満たすところまできている。

 インターネット版「官報」
 http://kanpou.npb.go.jp/

そして,過去1ヶ月分の官報に限定されるが,無料で全文検索ができるところまできた。これは朗報と言えると思う。

 官報検索!
 http://kanpoo.jp/

なお,1ヶ月以上過去の官報の検索は有料のままとなっている。

 官報情報検索サービス
 http://kanpou.npb.go.jp/search/introduce.html

「法律」は,国民の権利・義務を定める規範の一種だ。しかも,国家権力によって強制されるものなので,最も強力な規範の一つといってよい。かつ,民主国家においては,法律は国民またはその代表によって構成される議会で制定されなければならないことになっている。そして,制定された法律の内容は,いつでも国民によって認識可能でなければ民主国家ということはできない。

官報の検索サービスが年数を重ね充実したものとなってきたことは大いに歓迎する。だが,真に民主国家であり,かつ,国民の「知る権利」が充足されているというためには,過去のすべての官報について,無料でアクセスできるようにならなければならない。民主国家においては,官報の検索に関し,受益者負担という奇妙な論理が肯定されてはならない。国は,国民の「知る権利」を充足すべき義務を負っているからだ。義務の履行である以上,官報情報の提供の対価を求めることは,そもそもおかしなことだと認識・理解すべきだろう。

今後の更なる充実を期待したい。

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