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2010年2月10日 (水曜日)

マルウェアは,PCに接続されたカメラやマイクを乗っ取り,現実の生活を傍受しているかもしれない

サイバー戦争では,ありとあらゆる電子的攻撃が想定される。その中でも,ボットなどによって攻撃相手のPCを乗っ取り,入力装置を傍受したり支配したりすることにより,PC内部だけではなく,そのPCが置かれている周囲の状況まで傍受してしまうというタイプも攻撃もあり得る。下記の記事が出ている。

 Virtual battles shaping our future
 New Zealand Herald: Feb 5, 2010
 http://www.nzherald.co.nz/world/news/article.cfm?c_id=2&objectid=10624142

一般に,電子的な攻撃は,通信回線によって電子的に接続可能な世界だけが対象となると理解されているかもしれない。例えば,不正アクセスによってPCの中を覗かれることはあっても,PCの外にある現実世界まで覗かれることはないと理解されているかもしれない。確かに,普通はそうだろう。しかし,チャットなどで用いるためにPCに接続されているカメラやマイクまで支配されてしまっているとすれば,そのカメラを通して見える室内の様子を覗き観ることは可能だし,マイクが支配されているとすればその周囲の音声を傍受することも可能となる。この場合,PCの外のできごとだから安全だと判断し,重要な会話や秘密の会話をしていると,マイクやカメラを通じでそれが外部に筒抜けになってしまうということがあり得る。そして,そのようにして得た情報に基づき,更に別の次元の攻撃がなされるということもあり得る。

現在,PCに接続して使用するタイプのカメラやマイクなどの情報セキュリティ上の安全基準があるのかどうかは知らないが,おそらく,そのような攻撃に対する電子的な防御のための配慮は全くなされていないのではないかと想像する。

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