« カナダ:医療記録システムはセキュリティホールだらけ? | トップページ | Googleが,事前の警告なしに,著作権法違反の疑いのある音楽ブログサイトを閉鎖 »

2010年2月12日 (金曜日)

ID窃盗(Identity Theft)は,狙われた者を社会的・経済的に破滅させる

ID窃盗(Identity Theft)の被害が無視できないレベルになってきているようだ。「ID窃盗」は日本国の窃盗罪とは異なる。窃盗罪は,物体である財物を盗む行為を意味するが,ID窃盗は物体ではない他人のクレジットカード情報や銀行カード情報などを盗み取る行為を意味する。したがって,日本国の刑法上の窃盗罪は成立しない(←盗み取った情報を悪用してクレジットカードなどの支払用カードの偽造やその準備行為などをした場合には,支払用カード偽造罪が成立する。また,その情報を利用し,他人になりすまして銀行のサイトなどにアクセスすれば不正アクセス罪が成立する。)。

日本では,「情報」のもつ価値とそれが悪用された場合の脅威がぜんぜん理解されていないらしい。その意味では,まだ18世紀以前の未開の時代にあるのと同じだ。それゆえ,情報の盗み取り行為を処罰するための刑法改正がなされることなく,古臭くてカビの生えた法律のままとされている。『機動戦士ガンダム』のアムロじゃないけれど,「重力」に縛りつけられたままで満足している人々が多すぎるということも言えるかもしれない。

しかし,決済手段の情報が盗み取られ悪用されれば,現金や物体としての財産が物理的に盗まれる場合よりももっと恐るべき被害が発生することが十分にあり得る。それは,現代の社会では物体である現金による決済よりも,情報化された資産をコンピュータによって管理するという方法によって社会が成り立ってしまっているからだ。

最近,そのことの意味が次第に理解されてきているようだ。ウォールストリートジャーナルに下記のような記事が出ていた。

 The Rise Of Identity Theft: One Man's Nightmare
 Wall Street Journal: FEBRUARY 10, 2010
 http://online.wsj.com/article/BT-CO-20100210-710595.html?mod=WSJ_latestheadlines

とはいえ,日本で刑法改正の機運が高まる可能性はあまり高くない。何とも愚かで情けない国だと思う。

|

« カナダ:医療記録システムはセキュリティホールだらけ? | トップページ | Googleが,事前の警告なしに,著作権法違反の疑いのある音楽ブログサイトを閉鎖 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« カナダ:医療記録システムはセキュリティホールだらけ? | トップページ | Googleが,事前の警告なしに,著作権法違反の疑いのある音楽ブログサイトを閉鎖 »