Google Bookに関する最初の司法判断が米国東部時間の18日木曜日になされる見込み
下記の記事が出ている。注目しなければならない。
Ruling due on Google's book plan
Guardian: 17 February 2010
http://www.guardian.co.uk/technology/2010/feb/17/google-books-copyright
ニューヨークの第一審裁判所に過ぎない。しかし,世界中から注目されている。
日本の裁判所の判決であれば,世界中から注目されるようなことはおそらく100年に1件もないだろう。
やはり,サイバー法の世界では,米国が世界をリードし続けている。
ところで,私のこのブログ記事は,法学部及び法科大学院での講義(「サイバー法」,「法情報学」等)の際の補助教材として用いるという目的のためにも作成し,公開している(なお,別のサイトでは,2010年から開講する「植物と法」及び「遺伝子情報と法」等と関連する講義で補助教材として用いるための各種資料を積極的にデータベース化し,一般公開している。)。
このブログの記事で引用しているネット上の記事や文献の圧倒的多数は英語で書かれたものだ。そして,将来サイバー法をめざす学生に対しては,(私自身ができないことについて,若い世代に夢を託すという趣旨も含め)それぞれの英語記事について,短時間の間に文章を読み終え,その論旨を理解し,記事の中に含まれている問題点を正確に指摘し,自分の意見を形成し,自分の言葉で記事を書くことができるだけの能力を身につけることを求めている。その程度の能力がなければ,専門能力を有する弁護士として渉外事務所等に就職することはかなり難しいだろうと思う。また,その程度の能力を身につけていない場合,サイバー法の研究者として身を立てることは,不可能だとはいわないが,かなり苦労することになるだろうと思っている。
ちなみに,この記事で引用している英文記事は,比較的読みやすく,文法的にもあまり崩れていないものを精選しているつもりだ。レベルとしては,日本の高校卒業程度の力があれば,辞書なしでも読みこなすことが可能だろうと思う。英語を用いる職業に就きたいと考えている学生諸君には,このブログで紹介される英文記事を短時間で読み,その内容を理解できる程度の実力がついているかどうかを自己の語学能力の評価・判定のための判断基準の一つとしてもらいたいものだと思う。一般に行われている英語能力検定は,パーツとしての英語能力の一部しか測定できない。実践的には,かなりブロークンな英語文を含め,現実に存在する文書全体をすらすらと読める能力を有していることが大事だ。
そして,学生諸君に対しては,このブログで引用されている英語の記事や英語論文などを読みながら,「世界の動き」をできるだけリアルタイムで体得して欲しいものだとも思っている。このブログで紹介している記事は,日本のメディアでは滅多に報道されることがない。また,時折翻訳のような感じで日本語文記事が出ても随分と歪められた姿の日本語文になってしまっていることが全くないとはいえない(←ただし,日本のフリージャーナリストやフリーのライターが書く記事ではそのような欠点が比較的少ないのではないかというのが正直な感想だ。)。
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