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2010年1月13日 (水曜日)

鉄腕アトム(アストロボーイ)のキャラクタを使ったゲーム

鉄腕アトムは,海外ではアストロボーイとして知られている。そのキャラクタを用いたゲームがあるようだ。はっきりいってやめてほしい。

 Game review: Astroboy
 Guardian: 12 January 2010
 http://www.guardian.co.uk/technology/gamesblog/2010/jan/12/astroboy-page-review-playstation-wii

私の理解によると,鉄腕アトムは単なる漫画ではない。漫画という表現方法を用いた哲学書のようなものだと考えている。哲学書だというのが大げさすぎるとしても,そのストーリーの中に含まれている様々な社会問題に対する視点や思想のようなものには随分と重要なものを含んでおり,そこに鉄腕アトムの本当の魅力と真価があるのではないかと思っている。そのような思想や文脈という要素を無視し,「かたち」だけを商業利用するのは,私としては賛成できない。

私は手塚治虫氏の崇拝者ではないし,鉄腕アトムオタクでもない。

大事なことは,その作品によって示されている思想は何かということに尽きる。そして,「その思想がそのような表現形式をとっていた」ということが文化史的または社会思想史的にはとても貴重なことなのだと理解している。

もちろん,もとの作品からキャラクタだけを切り離し,それだけを独立した商品として使いまわすということもまた一つの文化的な出来事であることはいうまでもない。しかし,そこにあるのは,あまりにも軽薄な商業主義だけだ。はっきり言って下品だ。

だから,やめてほしいのだ。

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