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2010年1月 2日 (土曜日)

韓国:裁判所のサイバーコート化を促進

下記の記事が出ている。

 裁判が分かり易くなる 事件処理過程の電子化も本格化
 東亜日報: JANUARY 02, 2010
 http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2010010254128

なお,日本の裁判所における電子化やサイバーコートの将来は,かなり不透明。

そもそも日本では,裁判所に対する予算が圧倒的に不足しており,全然ないも同然の状態だ。つまり,何かやろうと思っても,現実には調査研究のための予算でさえ不十分という状態にある。ちょときついことを言わせてもらえば,第二次世界大戦後,日本国政府が一貫して裁判所に対する予算配分を徹底的に圧縮してきたツケがいよいよ回ってきたというべきだろう(←歴史的事実としては,戦後においては,GHQ占領下の時代において,裁判所における予算配分が最も高い状態だった。占領体制の解消と同時に,日本国政府は裁判所の弱体化を徹底して推進してきたと言えるだろうと思う。)。

ちなみに,日本で初めて「法情報学」の分野についても専門的な研究を行う学術団体として設立された「情報ネットワーク法学会」では,これまで,裁判及び裁判所の電子化についても様々な角度からの研究を重ねてきた。
しかし,その研究成果が日本国の政府及び裁判所によって積極的に採りいれられたとは言いがたい状況にある。
その研究成果が日本ではなかなかメインストリートに出れないでいるということは,非常に残念なことでもある。

ちなみに,サイバーコートの例としては,シンガポールの裁判所の例が有名だ。また,米国では,電子的な証拠の取調べに関して連邦証拠規則が改正され,電子証拠開示制度が設けられたことは周知のとおりだ。

ただし,訴訟運営を100パーセント電子化すると,それはそれで大きなリスクを抱えることになる。したがって,例えば,電子化の最大の弱点である「電気がなければ何も存在しなくなってしまう」という重大なリスクに対応するため,仮に完全に停電した状態であったとしても何ら支障なく法廷を開廷できるようにするためのフェイルセーフの仕組みを堅実に維持しつつ,電子化のメリットを十分に享受できるようにするための新しい仕組みを積極的に導入し,それらを合理的かつ調和的に運用できるようにするための物的・人的な統制の仕組み及び組織を確立することによって,より賢い制度設計を求めるための努力を継続すべきだというのが私見だ。

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