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2010年1月14日 (木曜日)

中国:インターネット鎖国

中国では国家的な規模でのファイアウォールが存在しており,中国政府の方針と合致しない外国サイトへの接続ができないようになっているし,そのような外国のネットサービスを利用できないようになっている。自由な情報流通を禁止することによって政府批判を阻止するという目的があるのだろうが,むしろ,中国の情報が外国に漏れるのを防ぐ(または外国による諜報活動を阻止する)という目的もあるかもしれない。要するに,中国政府の方針に合わないサイトは,中国にとってすべて「有害情報」だということになるのだろうし,それゆえにそのような有害サイトをブロックすることは当然の権利だということにもなるのだろう。

 China's internet crackdown forced Google retreat
 BBC: 13 January 2010
 http://www.guardian.co.uk/technology/2010/jan/13/google-retreat-china-crackdown-censorship

 Foreign Companies Resent China’s Rules
 New York times: January 13, 2010
 http://www.nytimes.com/2010/01/14/business/global/14western.html

さて,日本には,GoogleやYouTubeやFacebookなどを「ビジネスに活用しよう!」と持ち上げている人々がいる。しかし,これらのサービスは,中国ではブロックされ,または,完全に公安当局の監視下にある。つまり,これらのサービスを中国で利用してはならない。

ネット上の何らかのサービスをビジネスで利用したい(または,させたい)と考える場合,日本との間の産業上のつながりが強い国でもそれを利用することができるかどうかを丁寧に調査した上で判断しないと,結局,自らのビジネス上の力を極度に弱めてしまうことになる危険性があるということを理解すべきだろう。それと同時に,常時監視下にあるネットワーク環境では,「その環境の中にある」ということだけで,企業秘密などの機密情報を「秘密のものとして」守ることが基本的に不可能だということも十分に理解すべきだ。

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