MicrosoftがXPから7への切り替えを促す
私はWindowsの最初のバージョンからずっと使ってきた。その間,何年かすると新しいバージョンのWindowsが出てきた。マシンのほうもどんどん高機能のものが安く手に入るようになったので,マシンの更新にあわせて新しいバージョンのWindowsを購入することが普通だったかもしれない。このことは,おそらく非常に多くの人々が共通に経験してきたことだろう。実際,新しいバージョンのWindowsはそれなりに魅力があり,更新する意味があったと思う。ところが,XPに関しては,VISTAや7に更新せずに依然として使い続けるユーザが少なくないようだ。実は,私もXPマシンを使い続けている。Microsoftは,XPユーザが7に切り替えたいと考える購買心理を刺激するために,値下げなどの方策を検討しているらしい。
Microsoft tosses Windows, Office discounts at XP holdouts
Register: 4th January 2010
http://www.channelregister.co.uk/2010/01/04/windows_7_xp_discount/
「XPを使い続けるユーザが何故VISTや7に切り替えないのか?」という問題に対する答えは,比較的簡単かもしれない。それは,絶対値として「XPが非常に優れている」という理由によるものではないと考える。
あくまでも一般論だが,今後,アプリケーションソフトウェアが「成熟の時代」を迎えると,バージョンアップによって利益をあげるというビジネスモデルは根本的な見直しを迫られることになるだろう。アプリケーションを提供する企業は,むしろ逆に,メンテナンス業務を維持するためのコストのほうが大きくなってしまうかもしれない。そのような状況が恒常的に発生した場合,そもそも「アプリケーションベンダーというビジネスそれ自体が成立可能か?」という問題と直面する時代がやってくるかもしれない。
物体である家電製品でも同じことは生じている。ただ,物体である家電製品の場合,現実に何年か使用すると当然に故障が起きるようになり,最後は壊れてしまうから,その時点ではいやがおうでも物理的に更新が必要になる。このことは,マシンとしてのPCでも同じだ。しかし,ソフトウェアの場合は,物体としての家電製品やPCとは異なる要素がある。
以上のことを総合的に考え類推してみると,そもそも「クラウドコンピューティングサービス(パブリッククラウド)というビジネスモデルは長期間にわたり継続的に利益をあげることのできるビジネスモデルとして成立可能か?」ということについても真剣に考えてみるべき必要性がある,という当たり前のことに思い至るのだ。
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