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2010年1月 8日 (金曜日)

EU:全欧を統括するサイバー犯罪対策庁の設立が提案される

政治的・経済的統合が更に推進されつつあるEUにおいても,サイバー犯罪に対する対応は各国の警察が担当している。現在あるのは,それぞれの国の警察の相互協力体制だけと言ってよい。そのような状況から一歩先に進めるため,EU政府内にサイバー犯罪対応専門の部局を儲けるべきだという提案がなされているようだ。

 Expert calls for Pan-European cybercrime response
 ZD Net UK: 6 January 2010
 http://community.zdnet.co.uk/blog/0,1000000567,10014777o-2000331828b,00.htm

現在の日本国の首相は,東アジア圏共同体というようなものを構想しているようなのだが,私見によれば,理念それ自体は非常に美しいのだけれど,現実には絵空事に近いのではないかと思われる。かつて,「源義経は,平泉での戦に破れた後,秘かに逃れ,北海道を経由して満州~蒙古に渡り,ジンギスカンになった」という奇妙な説がまことしやかに流布され,結構人気を集めたものだった。そのような説の背後にある,ある一種の思想的雰囲気のようなものと同じようなものを感じるのは私だけではないだろう。それは,空想冒険小説の世界だけで通用するものだ。

現実的なレベルで推測すると,中国は,「中国が絶対的な主導権を握ることができるのでなけば,国土面積,人口,GDPのいずれの面から見てもアジア第一の国家としての面子を汚されたことになる」と判断するだろう。

だから,中国と日本が対等の関係で,または,日本が主導権を握るようなかたちで,経済面または政治面での「東アジア共同体」のようなものを構想することは,最初から間違っているのではないかと考える。このことは,ASEAN諸国でも一緒だし,インドでも全く同じだ。

では,警察レベルでの連携はどうだろうか?

これまた,国家体制と国家哲学と民族意識のようなものが根本的に全く異なっているので,無理ではないかと思われる。強いて言えば,日本と同じような立場に置かれている韓国とだけはどうにか協調関係を保てるかもしれない。ただし,モノゴトの感じ方や考え方について相互に相当違う部分があるので,日本だけのペースでことを進めると,たちまち破綻することになるだろう。日本風の「話せばわかる」は,世界的には全く通用しないということをきちんと理解することが重要だ。

「世界は極めて即物的な要素だけで成立している」と考えたほうがずっと理解しやすい構造をもっている。

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