ファイル共有ソフト「パーフェクトダーク」にアニメコンテンツを流していた37歳の男が逮捕
P2Pソフトには様々な種類のものがあり,軍事目的,ビジネス目的,研究目的などに特化して用いられているものもある。例えば,Googleのビジネスを考えてみると,それ自体としてとてつもなく巨大なファイルシェアリングであり,クライアントの識別機能を実行している仕組み,あるいは,ファイルの格納場所を分散・並列処理し,仮想サーバだけが表面に出るようにしている仕組みなどを抽象化して考察してみると,(規模としては誰一人として全体像を把握することができないくらい肥大化してしまっているけれども)全体としてP2Pの一種であると理解することも全く不可能ではない。要するに,「P2Pソフトだ」というだけで「違法だ」と決めるつけてしまうようなタイプの論理は最初から破綻している(または,極度の無知もしくは事実誤認の部類に属する。または,そのように考える者には,平均値未満のパフォーマンスしか発揮できない脳細胞が実装されていると推定される。)。
しかし,一般に利用されているP2Pソフトなるものの多くは,どちらかというと著作権侵害を伴うファイル共有のために利用されることが多い。そのため,世間的には「P2Pソフト」というだけで目の敵にされてしまうことが少なくない。
そのような悪用例がまた一つ追加されたようだ。「パーフェクトダーク」を用いたファイルシェアリングの逮捕例としては初の事例ということだ。下記の記事が出ている。
ファイル共有ソフト「パーフェクトダーク」初摘発 アニメ公開男を逮捕
産経ニュース: 2010.1.27
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100127/crm1001272026035-n1.htm
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コメント
キメイラさん こんにちは。
自動車でさえ「走る凶器」と表現されることがあるので,同じですね。「走る凶器」であっても自動車それ自体が悪いわけではありません。悪いのは運転者です。
とはいっても,新しい技術について法律家などがちゃんと勉強を重ねているかどうかというと,「それは人による」としか言いようがありません。私自身を例にあげると,パソコン黎明期からずっと必死になって勉強を重ねてきました。しかし,当時は,褒められるどころか嘲笑されたり怒られたりすることがしばしばあり,「本当に世間というものは理不尽なものだ」と思ったものです。卒なく生きることにたけている人しか出世できないような組織では,その弊害が頂点に達するかもしれません。
世間では,正しくものごとを考える人が指導的立場にたつことは非常に難しいです。そもそも正しくものごとを考えると,「出世」を最大の目標として生きるということを選択しません。だから,いつまでたっても事態が改善しないのでしょう。
投稿: 夏井高人 | 2010年1月29日 (金曜日) 08時30分
昔から,一部のセキュリティ検査ツールは悪用すればハッキングツールとして使えますが,ツール自体は価値中立であり盾の両面に過ぎません。著作権侵害や不正アクセスに悪用して初めて検挙されるだけです。
したがって,P2P=悪,という技術やシステムに偏見を持った不勉強方には,洗脳(啓蒙)させていただかないといけないのかも知れません(笑
投稿: キメイラ | 2010年1月28日 (木曜日) 12時56分