オーストラリア:違法コンテンツのあるWebサイトへのアクセスを遮断するフィルタリングを強制する法案を検討
下記の記事が出ている。
Australia introduces web filters
BBC: 15 December 2009
http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/8413377.stm
この記事を読む限り,日本の法制と同様に,青少年にとって有害なコンテンツへのアクセスの遮断を目的とするフィルタリングのようだ。
しかし,そのようなフィルタリングが本当に効果があるのかどうかは疑問だ。そのことは日本での実例が示すとおりで,日常的にエロサイトや犯罪サイトなどにアクセスして楽しんでいる青少年は数え切れないほどたくさんいる。それを阻止するための方法は基本的には存在しない。
また,そもそも,「無菌人間をつくってよいのか?」という疑問がある。人間は,生まれてから成長する過程の中で,様々な疾病に罹患し,事故や怪我に遭遇し,裏切りや悲しみを味わい,それらのことから免疫力をつけ,身体を強化し,対人関係を形成・維持するための能力を習得する。エロサイトを観れば健全な(?)繁殖能力が身につくとは思わないが,全く無知な状態のままで成長したのでは,逆に,正常に性行為をすることのできない人間になってしまうかもしれない。要するに,人生の中で(それぞれの運命の定めるところに従い)避けることのできない諸々の危険やリスクは,人間として成長するために不可欠のものとなっているのであり,いわばサバイバル能力を養成するための肥料のようなものだ。ここらへんのところをどう考えるのかが一番大事なような気がする。しかし,これは,平和ボケした人たちにとっては全く理解できないか,または,賛成することのできない見解かもしれない。
[追記:2009年12月19日]
関連記事を追加する。
Australia’s commitment to cybersafety laudable
Scoop: 18 December 2009
http://www.scoop.co.nz/stories/PO0912/S00252.htm
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