米国:レスビアンの女性がビデオの利用履歴からプライバシーが漏れたとして,レンタルビデオ企業を提訴
先進国では同性愛者が次第に増えているらしい(←ただし,正確なところは不明)。同性愛者の婚姻まで認められているところもないではないが,一般的には,同性愛者は社会から冷たい目で見られる状況にあるだろう。それゆえ,同性愛者であることを公言できず,こっそりと(in the closet)同性愛者としての生活を続けている者が少なくないのではないかと思う。私自身は同性愛者ではないが,一般論として,同性愛もまた性愛の自由な選択肢の一つなのだろうから,彼らを迫害しようとは思わない。
そして,当の同性愛者本人にとっては,「性の問題についてその者がどのような傾向性を有しているか」という事実は,本人がそれを秘密のものとしておきたいと考えている限り,明らかにプライバシーの一部として理解することができる。そのようなプライバシーは,レンタルビデオの利用履歴やオンデマンドコンテンツの利用履歴等から推測することが可能であり,とりわけ,(私自身は反対しているが)ライフログなるものの利用が活発になれば,そのような意味でのプライバシー侵害の懸念は格段に高まるといわなければならない。おそらく,ライフログというビジネスモデルは,欧米のプライバシー保護運動家からの抗議活動や訴訟攻勢等に耐えられるものでは全くない。
性愛の問題については,ジェンダーなど様々な立場からのアプローチが可能であるけれども,プライバシーという側面からの検討も更に必要なのではないかと思う。
さて,このタイプの問題を考える上で参考になる事件が発生したようだ。下記の記事が出ている。
Closeted lesbian sues Netflix for privacy invasion
Register: 21st December 2009
http://www.theregister.co.uk/2009/12/21/netflix_privacy_flap/
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