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2009年12月 7日 (月曜日)

遺伝子の働きを調べるソフトウェア(遺伝子モデリングシステム)による研究支援

下記の記事が出ている。

 Software models aid gene expression toxin study
 BBC: 7 December 2009
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/8386807.stm

かつての単純な数学モデルによるシミュレーションではなく,よりリアルな世界との結合の強いコンピュータソフトウェアを用いた研究が現実的なものとなってきたようだ。とにかく凄い時代になったものだ。

今後は,デジタルコンテンツを輪転機で印刷するようにしていわば「濡れ手に粟」のようにお金を得るのではなく,よりリアルな世界との結合を意識し,現実世界の中に利益をもたらし,または,現実世界の中で利益をあげるようなビジネスモデルが優勢になるのではないかと思う。

その意味で,単純な「デジタル化」または「電子化」だけで突っ走ることができる時代は終焉を迎えたと断定してよいと考える。

もちろん,それはそれで法的な問題がいくらでもあり得る。それに対応すべく,サイバー法の世界も大きく変容しなければならない。が,一応そのことを措いて,そのような現実世界との接点を多く持つタイプのソフトウェアを開発し,それを駆使してリアルとバーチャルとが接合された新たな時代のためのビジネスを遂行するための人材育成について考えてみると,これまでのような単調な人材養成教育では全く太刀打ちできないということが明らかだと思われる。

とは言っても,これまでとは根本的に異なる全く新しい教育システムを考えることは難しいし,仮に考え出したとしても世間が承認する可能性が低い。また,仮に世間が承認しても実装・運用から成果を出すまでには何年もかかるから,現代のように短気な人が多い世界では,成果が出るのを待ちきれずに批判が噴出するということが起きてしまいがちだ。

そこで,既存のやり方の中から参考になるものを探してみると,最も単純化したモデルで言えば,欧米で採用されているようなメージャーとマイナーの組み合わせによる高等教育のようなものを大胆に導入すべきではないかと思う。例えば,メジャーがコンピュータ科学だとすればマイナーはラン科植物の園芸栽培あるいは粘菌の生態研究といったような感じになる。

もちろん,このような教育について行けるだけの学生は必ずしも多くはないだろう。しかし,そもそも全ての学生を均質レベルにもっていけると考えたり,誰もが同じようなタイプの人材として成長すべきだと考えることそれが根本的に間違いなので,学生各自の興味と能力に応じて多様なメジャーとマイナーを組み合わせた高等教育というものを導入すべきなのではないかと思う。

その場合,教員(教授)の側でも高度の能力と柔軟性が要求されることになるだろう。大学は,硬直な者や不勉強な者や勤勉でない者は生き残れないところになるかもしれない。でも,そうするのでなければ,日本全部が玉砕するしか途が残されていないかもしれないということに気付くべきだろう。

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