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2009年12月30日 (水曜日)

GSMを用いた携帯電話用暗号機能がクラックされた模様

ドイツの科学者によってクラックされてしまったようだ。この暗号システムのままでは,もう安全ではない。下記の記事が出ている。

 Secret mobile phone codes cracked
 BBC: 29 December 2009
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/8429233.stm

あくまでも一般論だが,どのような暗号システムを導入しても,いつかは容易に解読されるようになる。それまでの時間稼ぎくらいの安全性しかないというのが普通の暗号システムの宿命のようなものだ。

歴史をひもといてみると,日本国が太平洋戦争を開戦したときには,米軍は既に紫暗号書を手にしていたので,日本軍の暗号通信は全く意味をなしていなかった。開戦前から敗戦となることが決定されていたようなものだ。ナチスドイツはエニグマ暗号をもっていたが,これも英国諜報部によって解読されることになった。しかし,いったん戦争を開始してしまうと,根本的に異なる暗号方式に切り替えることが非常に困難になる。特に戦線が拡張してしまっていると,その末端に至るまで一斉に異なる暗号方式へと切り替えることは不可能ではないかと思う。このことは現代の戦争でも全く同じことだ。

さて,戦争ではないが,ビジネスの面でこれを考えてみると,やはり同じことが言えるかもしれない。いったん普及してしまった暗号方式は,それを全面的に廃止したり交換したりすることが事実上できない。その暗号方式が「既に破られており,少しも安全ではない」ということがはっきり判っていたとしても,「安全だ」と嘘をつかなければならないようになってしまうのだ。この点では,戦争における暗号システムの運命と全く同じだと言ってよいだろう。

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