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2009年12月 7日 (月曜日)

生体認証破り-初の摘発

左右両手の指紋を入れ替える整形手術をして不法入国していた中国人女性(以前,強制的に国外退去を命じられた経歴を有する女性)が摘発されたようだ。

 指紋手術し不法入国=強制送還後、生体認証破る-容疑で中国人女逮捕・警視庁
 時事通信: 2009年12月7日
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091207-00000037-jij-soci

映画『マイノリティレポート』では,他人の眼球と入れ替える手術を受けるシーンが出てくる。そのような手術は現実には不可能または非常に困難なのじゃないかと思う。けれども,指紋を薬品等で溶解して判らなくする手法は既に利用されていると言われているし,スパイの世界では指紋を偽装するラバーのカバーのようなものも存在すると言われている。

いずれにせよ,指紋による生体認証システムは完全ではないということが現実の事例によって証明されてしまったことになる。

では,静脈認証やDNA認証ではどうだろうか?

これらのタイプの生体認証に関しては,一卵性双生児やクローン人間では逆に区別がつかなくなってしまうという致命的な問題がある。そのことを一応措くとしても,これらの生体認証システムを破る方法は既に存在するとされている(←詳細を書くことができない。)。

「完全だ」と一般に信じられている認証方法が「本当はそうではないかもしれない」という可能性を正しく認識・理解している係官がそのような生体認証システムを用いてチェックするのであれば,現実に問題が発生する可能性を低減させることができるかもしれない。しかし,機械装置が万全だと思って安易に扱っていると,何でもできてしまうような結果を招いてしまうことになる危険性があることを否定することはできない。

ちなみに,そもそも「同一性とは何か?」という基本問題は,いまだに解決されていない。

というわけで,完全な識別装置など世界に1つもないのだという当たり前のことを認識すべきだろう。

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