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2009年12月18日 (金曜日)

電子ブック

ソニーが電子ブック分野に再参入することになったようだ。下記の記事が出ている。

 ソニーが日本で電子書籍に再参入 出版社と交渉
 産経ニュース: 2009.12.18
 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/091218/biz0912180109002-n1.htm

電子ブックには利点がたくさんある。コンテンツの中の文字列に対する検索機能があることは最も優れている点かもしれない。

しかし,私は少し齢をとりすぎてしまったかもしれない。どうしても紙の書籍に対する愛着があるし,電子ブックでは目が疲れる。それに,「電気がなくなると読めなくなってしまう本なるものは,本当に本なのだろうか?」という素朴な疑問がある。

最近,更に別のことを考えるようになってきた。

紙の本であれ電子書籍であれ,きちんと全部読む人がいれば,必要なところだけつまみ食いする人もある。それは古今東西どこでも変わらない現象だろうと思う。ただ,電子ブックでは,その優れた特性の一つである検索機能があるがゆえに,つまみ食いをする者の割合が増加するかもしれないという懸念があるのだ。

本には「思想」が含まれている。その思想は「語」と「文」の組み合わせによって構成されており,ある単語だけを検索し,それを丸暗記するようなかたちでその「思想」を理解することは,基本的にはできない。ところが,つまみ食いというやり方になれてしまうと,ある単語やフレーズを丸暗記しただけで,全部理解できてしまったような気にさせられ,結果的に,何も判っていない軽薄な人間を大量生産することになってしまうかもしれない。

というようなことを考えているのだが,本当にそうなるかどうかは,今後しばらくの間観察を続けてみないと判らない。

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