韓国:スマートフォンのセキュリティとプライバシーに関する懸念
韓国でもiPhoneやこれに類するスマートフォンの普及が急速に進んでいるようだ。ところが,これらのモバイルツールの通信を媒介するISPの情報セキュリティに関する懸念があり,利用者のプライバシーや機密情報などが本当に守られているのかどうか疑問視する声がある。下記の記事が出ている。
Smartphone Use Raises Security Worries
Korea Times: 12-14-2009
http://www.koreatimes.co.kr/www/news/tech/tech_view.asp?newsIdx=57284&categoryCode=129
この記事は,韓国の状況に関するものだ。
しかし,同じことは日本や中国でも言えるかもしれない。
日本国政府は,いわゆる「ユビキタス・ネットワーク」を推進してきたし,それを基盤とするICTなるものを推奨してきた。これは,日本だけではなくEUでも同じだ。
しかし,そのような無線ネットワークを現実に運営するのは生きた人間であり,普通の通信会社やISPであることを忘れてはならない。人間は,常に不完全な動物であり,完全な人間などただの一人も存在しないので,常に何らかの失敗や事故の可能性が潜在している。
星新一さんのショートショートに出てくるようなタイプの逆説的な言い方をすれば,この問題を完全に解決する方法は全くないではない。それは,この世から一人残らず人間を抹殺してしまうことだ。そうすれば失敗をする主体が存在しなくなるので,失敗はあり得ないことになる。しかし,それでは全く意味がない。つまり,結局のところ,この問題を解決するための完全な方策はない。
ここから先の態度が人によって異なるかもしれない。「解決策がないのだから何をやっても良い」と考える人や企業が存在するかもしれない。けれども,そのような考え方は,無政府主義に近い。
結局のところ,事故発生の要因となる(技術上,運用上または社会的な)要素の中の幾つかに抑制をかけて,事故や被害の発生を少しでも減少させるという面倒な方策を採用するしかないし,そのために一見無駄とも思えるようなコストを負担し続けるしかないだろうと思う。
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