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2009年12月14日 (月曜日)

サイバーコート(Cyber court)が多義化

日本では,笠原教授が中心となって研究が重ねられてきたサイバーコートがある。これは,電子化された裁判所であり,遠隔地からでも通信回線を通じて訴訟行為をすることのできる裁判所を意味する。世界的には,「サイバーコート」と言えばそのような裁判所のことを指すのが通例で,実験システムとしては,米国の「Courtroom 21」が有名であり,実例としてはシンガポールのサイバーコートがよく知られている。

ところが,最近,ちょっと異なる意味で「サイバーコート」という語が用いられているのを発見した。それは,サイバー犯罪を集中審理するための裁判所を指すようだ。日本の中で類似例を探してみると,(分野は異なり知的財産権関係の訴訟を集中審理するための裁判所だが)知財高裁のようなものをイメージすればよいのではないだろうか?

サイバー犯罪を集中的に審理するための裁判所としての「サイバーコート」の例としては,インドでは,法改正により既に導入が決定されている。また,マレーシアでも検討が進められているようだ。

 India Gets Its First Cyber Court!
 July 28, 2009
 http://www.efytimes.com/e1/fullnews.asp?edid=36170

「サイバーコート」を直訳すると,「サイバーな裁判所」ということになり,どのような要素について「サイバー」なのかが語義それ自体として確定していない。だから,今後も多義的になり続ける可能性はある。

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