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2009年11月13日 (金曜日)

EU:クラウドコンピューティングの導入に関するEU政府の動向

下記の記事が出ている。

 

EC Calls On Europe To Board Cloud Computing Train
 eWeek: November 12, 2009
 http://www.eweekeurope.co.uk/news/ec-calls-on-europe-to-board-cloud-computing-train-2428

EUは,経済的には統合の実をあげつつあると言えるが,政治的にはまだ独立した主権国家の集合体に過ぎない。そういうところで統合されたクラウドコンピューティングサービスを無理に導入すれば,主権の衝突という政治的な問題が発生する。

しかし,これは政治問題だから問題になるわけではない。

要するに,「潜在的には敵対関係にある者は同じ場所に座ることができない」ということなのだ。そして,このことは,ビジネスにおける利用でも同じだ。

私がローカルなクラウド(一般にプライベート・クラウドと呼ばれているものに相当)ではあまり問題が起きないけれども,グローバルなクラウド(一般にパブリック・クラウドと呼ばれているものに相当)では,独占禁止法,不正競争防止法,個人情報保護法を含め,ほぼありとあらゆる法律に抵触する危険性があると指摘しているのは,まさにこのことによる。

「呉越同舟」は現実にあり得ることだ。しかし,それは一時的なことに過ぎないということを銘記していないと,重大な結果を招くことになる。

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