Windows 7 のタッチパネル操作機能
マイクロソフトから発売されたWindows 7 にはタッチパネルで操作できる機能が追加されている。おそらく,この機能がWindows 7における一番人気の機能になるだろう。問題は,この機能を実際に使うためのタッチパネル式ディスプレイを普通の人が比較的安価に入手可能かどうかだった。それが可能となったようだ。
アイ・オー、Windows 7に対応したタッチパネル搭載のフルHD液晶ディスプレイ
RBB: 2009年10月1日
http://www.rbbtoday.com/news/20091001/62693.html
このタッチパネル機能については,現在のところ,ビジネス用途での応用が主に考えられているようだ。
しかし,私は他の分野でブレイクするだろうと予測している。例えば,タッチパネルの操作性は,ロボット(物理的存在としてのロボットと論理的存在としてのロボットの両者を含む。)の操作という点で,マウスよりも優れている点が幾つかある。例えば,ロボットに対して進行する方向を指図したり,掴んだり握ったりする動作を指図したりする場合,マウスよりもはるかに細かな動作を指示することができるようになるだろう。そして,ロボットを操作するためのインタフェイスとしてタッチパネル,マウス,キーボードを組み合わせて利用すれば,ロボットや各種機械装置に相当難しい複雑な動作を実行させることも可能となると思われる。
これまでタッチパネルの利用があまり活発でなかった理由は2つあると思う。1つは,タッチパネル式ディスプレイ装置が安価に入手できなかったことだ。もう一つは,タッチパネルへの入力を装置やソフトウェアへの指令として変換・伝達するための簡単な仕組み(OS及びアプリケーション)が流通していなかったことだ。今回のWindows 7は,これらの問題を解決することになるかもしれない。
なお,これらの仕組みを応用すれば,病理的な利用も可能となることは当然のことだ。
おそらく,風俗関連やゲーム関連の産業での応用が真っ先に進むと思われるが,その中には違法の疑いのあるものも含まれることになるだろう。また,細かな動作をすることのできるロボットは,盗撮や盗聴等に応用することが可能だし,テロのための手段として使うこともできる。
このことは,情報セキュリティや警察活動などにおいて,「直接に手を下したのは人間ではないかもしれない」ということと「犯人はロボットや装置をずっと遠くで操作していたかもしれない」という可能性を疑いつつ捜査を行わなければならないということをも意味している。これまでの直感や経験だけではカバーできない現象が増加するかもしれないのだ。
かくして,利便性の向上は,社会の中でプラスの方向での影響を与えると同時に負の方向での影響も発生させてしまう可能性があることを常に念頭においておく必要がある。
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