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2009年10月30日 (金曜日)

カナダ:政府による通信傍受権限を強化の方向か?

紆余曲折があるようだ。下記の記事が出ている。

 Spy watchdog backs bid to boost Internet surveillance
 CTV News: Oct. 30, 2009
 http://www.ctv.ca/servlet/ArticleNews/story/CTVNews/20091029/csis_internet_091029/20091029

明治大学法科大学院で「サイバー法」の講義を担当している。学生諸君に対しては,現行法の解釈論だけではなく,今後の立法論や方向性を正しく見定めるためには何を勉強したらよいのか,何を好奇心の対象にすべきかについても講義している。

インターネットは完成された装置ではない。これまでもそうであったように今後もどんどん変化していくことになるだろうし,また,それに伴って新たな法的課題がどんどん発生してくる。新たな法的課題を解決するための手段として,古い法律の解釈論だけで対応できる部分は相対的に少ないかもしれない。ただ,法で解決できない部分であっても技術でカバーできる部分があるかもしれない。

しかし,問題は,「そのような技術及びその応用それ自体が現行法下において適法行為でなければならない」ということだ。法学部出身者であれば,そのことはあまりにも当然の常識に属する。しかし,技術開発の担い手が法学部出身者であることは非常に稀なので,技術開発の世界では法学上の常識が全然通用しないことがしばしばある。

けれども,どんなに大変でも「会話」を成立させるための努力を継続する必要がある。

「悪」を排除し「悪」から防御するために開発される新たな技術とその運用が,それ自体として「悪」であるとすれば,まるで笑い話にもならない。

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