情報通信法案の今国会提案は見送り
下記の記事が出ている。
総務省、情報通信法案の通常国会提出見送りへ
Yomiuri Online: 2009年10月18日
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20091017-OYT1T01238.htm
「通信と放送の融合」なる標語の下に進められてきた情報通信法制と放送法制の一元化作業のことを指しているものと思われる。
ちなみに,「通信と放送は融合」しない。もともと「通信」しか存在しない。「放送」は通信の媒体となる電波の周波数帯が有限であり,混信を避けるために非常に強力な規制と独占の許容が必要になることから,通信法制の中でも例外的なものとしてかなり風変わりな法制を維持してきただけのことに過ぎない。その意味では,「融合」は理論的にあり得ないことであり,最初から放送と通信は同じものなのであって,ただ通信媒体の相違による法規制の相違が存在していたのに過ぎなかったのだ。にもかかわらず「融合」を主張していた学者や業界等には何らかの利権でもあったのだろう。これらの点については,これまでずっと主張してきたとおりであり,自説について変更の必要性を全く感じない。
ちなみに,「情報通信法」については批判が多い。そのような批判の多くは全く的外れであり,いちいち取り上げる必要性に乏しいと思われる。
真に重要なことは,世界標準に合わせるための「有限な周波数帯の割り当て変更」と地上波デジタル放送導入等に伴う「独占許容の見直し」の部分にある。
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