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2009年8月12日 (水曜日)

SNSは現実世界での人間関係よりも密な人間関係を形成できるか?

SNSに限らず,コンピュータの応用技術の活用が本当に人間の生活に幸福を与えてくれるかどうかについてはずっと議論されてきた。ある部分については,明らかに人間に対して利便を与えてきたことは否定できない。しかし,「人間関係」となるとちょっと違うような気もする。もう10年以上も前になるが,この問題に関して世界的に議論がなされていた頃,ある考え方によれば,「人々は自分の意見と一致する少数の部族(tribe)に分かれる可能性がある」という見解を示した学者がいた。もしかすると,その見解のほうが正しいのかもしれない。それはともかく,一般論として,リアルなface to faceと電子機器を介した通信とではどこがどのように違うのかについて,もっと基礎的な研究がなされてもよいのではないかと思う。最近,日本のネット心理学やネット社会学は極めて低調だ。米国の書籍の和訳みたいなことばかりやっていたせいもあるだろう。もっと地道にフィールドワークを重ねるべきだろうと思うし,それによって大きな成果をあげることができるだろうと思っている。ちなみに,下記の記事が出ていた。

 Do computers make us more human?
 Guardian: 10 August 2009
 http://www.guardian.co.uk/commentisfree/belief/2009/aug/07/digital-media-internet

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コメント

キメイラさん こんにちは。

本来の意味での「ハッカー」が一般的には通用しなくなってしまっているのは残念なことですね。私も「ハッカー」という用語の使い方については世間に妥協せざるを得ないような状況になってしまっています。

ところで,「不良中高年」ですか・・・

私もその一員だったりして。(笑)

投稿: 夏井高人 | 2009年8月17日 (月曜日) 10時09分

夏井先生,ご応答ありがとうございます。
>つまり,この分野では営利という意味でのビジネスが成立しません。
 そのとおりで,業務用と別マシンで自サーバを立て,会員向けのMLとCUGサービスを収容しています。メンバーの中に日米でトップレベルのハッカー(原語の定義の方w)が3人もいるので,彼らが徹底的にテストアタックを繰り返してバルナビリティバグ出しをしたため,ペンタゴンのミルネット・センター・ヒドゥンサーバに負けないハイレベルのシステムが構築できました(笑。
 ただ,世代が世代なので「自作64bit版telnetを使いたい」という不良中高年の要求に閉口してますがw

投稿: キメイラ | 2009年8月16日 (日曜日) 08時38分

キメイラさん こんにちは。

結局,部族化説が正しかったということになりそうですね。

もともと1人の人間が(まともな会話という意味で)相手をすることのできる人間の数が限定されているので,ネットユーザ全体の数がどんなに膨れようと,個別具体的な個人というレベルでの人間関係という点では人の能力を拡張することにはならないのだろうと思います。

今後もCUGのようなコミュニケーションスタイルは不滅だろうと思います。そして,それは企業によって誘導することが不可能なものであり,あくまでもユーザの個人的資質の問題ということにならざるを得ないと思います。つまり,この分野では営利という意味でのビジネスが成立しません。

投稿: 夏井高人 | 2009年8月13日 (木曜日) 19時14分

夏井先生,ご応答ありがとうございます。
 昨今のコンピュータネットワークの現状を見る限り,昔のハイスキル・エリートの時代から,普通の通常通信インフラ化・誰でも参入容易な大衆化による功罪かと思います。「大学の大衆化によるよる薬物汚染の蔓延」とパラレルに考えてしまいます。
 そこまでいかなくても,米国映画「ウォーゲーム」の爆発的人気で米国パソコン通信界に素人が爆発的に参入し「荒れたパソ通」となった先史を思い起こします。
 もはや後戻りできないだけに,CUGギルド化がますます進むでしょう。

投稿: キメイラ | 2009年8月13日 (木曜日) 17時00分

キメイラさん こんにちは。

「もともと知り合っている間柄で,ITを媒体として会話をすることには多くのメリットがある」ということは私も実感します。特に限定された専門分野ではそうだと思います。現実世界での人間関係も存在しているので,お互い合理的に間合いをとることも忘れませんしね。

問題は,ネットで「誰かと出会える」という期待を抱かせるような場合でしょうか。たしかに未知の素晴らしい誰かと出会えることもあるのかもしれませんけど,現実は反対のことが圧倒的に多いのじゃないでしょうか。昔のパソコン通信のときには,そもそもパソコン通信ができるだけのスキルのある人が少なかったせいで,結構良い出会いもあり,パソコン通信で知り合った女性と結婚してしまった知り合いもいくるらいです。しかし,インターネットは誰でもできる分だけ,ありとあらゆる要素が拡散してしまっており,初期のパソコン通信の時代とはだいぶ違った世界になっているような気がします。

インターネットを大衆化させたことの功罪かもしれませんね。

所詮,道具は道具に過ぎないので,それを使う人が「どのような人なのか?」によって当然結果も違ってくるのでしょう。

投稿: 夏井高人 | 2009年8月13日 (木曜日) 16時30分

 コンピュータ・セキュリティ業界や技術部門のMLやSNSは,フレーミングがほとんど発生しないですね。現実社会のFace to Face(F2F)をベースに始まるので個人的信頼関係が先行するものがほとんどだからでしょう。
 また,技術レベルで内容面で足切りされるし,変な荒らしや門外漢のイチャモン出張放火はアク禁となりますので,新参者の参加レベルでも浄化されているからでしょう。
 私が入っているMSGというML&SNSグループはパソ通時代のCUGから始まったもので,当時は20代の青年も今や管理職や社長・教授という中高年になりましたが,いまだ問題も生じずみなさんも元気で続いてます。
 なかには,お互い多忙でもう5年以上も現実社会で会ってないのに,毎週のようにネット上で議論してます(1人は米国企業で現地勤務,もう1人はイスラエルに移住)。

投稿: キメイラ | 2009年8月13日 (木曜日) 09時46分

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