Google Book Searchクラスアクション和解に関する論文
ちょっと必要があって,松田政行・増田雅史両氏による「Google Book Searchクラスアクション和解の実務的検討」(NBL 905号7-27頁,906号88-97頁)を精読してみた。
この論文の中には賛成できない部分もあったが,情報セキュリティの関係で注目すべき記述が含まれていた。それは,権利行使のための請求フォームに関する記述(906号93頁)で,真の権利者でない者が権利者であると偽ってフォーム入力することが可能であり,非常にリスキーなシステムであることが示唆されている。そのようなやり方が公正でないことは当然であり,この和解を有効なものとするためのGoogleのスキーム全体が違法である疑いがある。そして,この論文の中では明確には指摘されていないが,同様の問題は,クラスからのオプトアウトの方法に関しても言えるのではないかと思った。
もしかすると,(日本では)公正取引委員会によって,その仕組み全体について排除命令が出されるべき性質のものであるかもしれない。
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