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2009年8月23日 (日曜日)

BHAが経営破綻

BHAが事業を停止し,自己破産申請をする見込みだ。

 「B's Recorder」のBHAが事業停止、自己破産申請へ
 IT media: 2009年08月21日
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0908/21/news083.html

今後,ネット全体がクラウドコンピューティングへと向かうとすれば,最終的には2~3程度の巨大世界企業だけが生き残ることになる(日本語を使用している限り,日本の企業に勝ち目は全くない。)。その結果,ほとんどすべてのISPとソフトハウスが倒産することになるだろうと予測している。なぜなら,データセンターは巨大クラウドコンピューティングサービスプロバイダに全部吸収されてしまい,その結果として,当該クラウドコンピューティングサービスの中で提供されるソフトウェアやアプリケーション以外のものは使用されなくなるか,または,使用できなくなってしまうからだ。そもそもOSがクラウドコンピュータと通信するための通信機能しかないような状態になってしまうだろうと予測するので,そのようなOSによって管理されているコンピュータシステム上で任意のアプリケーションソフトウェアをインストールして利用することは不可能となってしまうだろうと思われる。

日本の場合,IT分野の産業が交配するとその影響が非常に大きいため,GDPを大幅に下げてしまう結果となることが予想される。もちろん,このことは日本以外の諸国でも同じだし,米国内でも勝ち残った巨大企業以外はほとんど全部倒産することになってしまうので,本当の意味での世界的な経済危機が訪れることになるのに違いない。

このような悲惨な未来を回避する方法はある。

それは,ごく少数の巨大企業だけが生き残ることのできるような独占的なクラウドコンピューティングサービス以外の道を探すことだ。これは,普通考えられているような意味での自由競争では実現できない。相当強力な政治的及び法的圧力が必要となる。

あるいは,敗戦を認めた上で,海外の巨大クラウドコンピュータサービスプロバイダの部品のような下請けとなって生きる道を探すという惨めな道を選択せざるを得ないことになるだろう。

あるいは,もしかすると,我々は「新たな天才」の出現を目にすることができるかもしれない。フリーウェアまたはシェアウェアとして,自由なOSと自由なアプリケーションを提供し,それによって自由なネットワークを構築しようとする誰か天才的な人物またはグループが現れるかもしれないのだ。企業による大規模なデータ伝送を伴う利用というものを考えない場合,かなり小規模なシステムでもそれが実現可能なことは,これまでのインターネットの歴史が明確に証明していると考える。「危機」の時代でなければそのような意味での天才は必要とされないし,それが出現するための環境も存在しないのは当然のことだ。

いずれにしても,これからの政府が考えなければならないことは山ほどある。

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