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2009年7月18日 (土曜日)

英国:WikipediaとNational Portrait Gallery (NPG)との争い-著作権保護期間経過後の絵画をデジタル化した画像の権利は?

National Portrait Gallery (NPG)が所蔵する肖像画をデジタル化した画像が大量にWikipediaに掲載されてしまったことから,両者間に紛争が発生しているらしい。

 Wikipedia painting row escalates
 BBC: 17 July 2009
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/8156268.stm

著作権保護期間が経過した作品については,著作権法による保護を受けることがないので,その複製をしたりデジタル画像化処理をしたりしても何ら違法ではない。しかし,誰かが資金を投入してデジタル化した画像を複製した場合,元の作品の著作権侵害にはならないとしても,新たに作成されたデジタル画像の著作権を侵害したことになるかどうかは議論の余地がないとは言えない。BBCの報道によれば,英国の著作権法では,このようなデジタル化された画像についても保護を与えているということなので,そのとおりだとすれば,Wikipediaへの画像転載行為は著作権法違反となり得ることになる。

ちなみに,著作権による保護期間が経過しても,物体としての当該絵画作品の所有権が消滅するわけではない。その結果,当該絵画の所有者がその絵画をデジタル化して画像にするかどうか,それを有償で他人に提供するかどうかについての決定権を有している。これらの権利は所有権から派生するものなので,消滅することはない。要するに,世界に1個しか存在しない作品については,著作権法による保護があってもなくても,もともとあまり関係がないのだということを素直に理解することが大事ではないかと思う。

このことを理解した上で,上記の紛争における双方の言い分を観察してみると,基本的なrところですれ違っており,本来の意味での議論が成立していないのではないかと思われる。つまり,双方とも自分の言い分を言いっぱなしであり,ぜんぜんかみ合っていない。

最終的には訴訟で決着をつけるしかないだろうと思う。

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