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2009年7月 6日 (月曜日)

Webアイデンティティ

人工知能学会誌(Vol.24 no.4)が届いたので収録されている論文を読んでみた。「WebアイデンティティとAI」という特集が組まれており,総論部分の概説のほか8つの論文が収録されていた。その中には,「人物情報クラウドとその未来」という論文(559~567頁)など,要するに顧客のプロファイリングを大規模かつ集約的に実行するための仕組みに関する論文が多く含まれている。

しかし,あまり感心できない。社会性あるいは社会に対する責任感のようなものを感ずることのできない論文ばかりだった。

日本国の法制に限定しただけでも,個人情報保護法の定める個人情報取扱事業者としての義務の要件を満たすことができる論文はどれ一つとしてない。

また,技術研究としては面白いかもしれないが,社会の中でそれがいかに悪用される可能性があるかという観点や情報セキュリティの観点を踏まえて書かれていると感ずることのできるものが一つもなかった。

研究者は,研究室の中では何をやっても良いと思うし,そうあるべきだろうと信ずる。しかし,自分の研究成果を世間に出す段階となると全く異なった世界に入り込むことになるという当たり前のことをちゃんと認識・理解すべきだ。社会的責任というものがある。

査読者の姿勢を疑いたい。

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