英国:青少年の音楽消費行動に関する調査結果
音楽産業の意図とは反して,英国の青少年の多くは(違法なものと合法のものとを含め)無料のダウンロードサイトから音楽するという行動傾向がますます強まっているようだ。いずれ,CDやDVDといった媒体を売るというかたちでのビジネスは成立しなくなるだろう。
I needed music 'cos I had none
BBC: 14 July 2009
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/8149729.stm
これまで何度も書いてきたことだけれども,音楽産業の立場にたって,この問題を解決するための方法は一つしかない。つまり,CDやDVDなどの媒体から分離された音楽の流通をすべて禁止することだ。もちろん音楽産業もインターネット上での流通ができなくなる。しかし,そうすることによって,インターネット上にある音源ファイルはすべて違法なものとして対処することが可能になる。
しかしながら,このような解決手段を採用するには既に遅すぎる。結局のところ,何をやっても,音楽産業は滅亡への途を歩むことになるだろう。
他方で,そもそもコンテンツが枯渇しており,新しい作品が生まれる余地が非常に乏しくなってしまっている。このこともまた,滅亡の促進材料となっている。現在大量に生み出されている音楽作品の大半は,創作性がほとんどない。いつも主張することだが,世界中の音楽作品を全部収録し,自動的に近似度を測定可能なシステムを構築してみれば,私の主張がいかに正しいかを科学的実証することが可能だろう。腐るほど大量に生み出される現代の音楽作品の中で,真に創作性があると言えるものは滅多にない。
近未来を想定してみると,傑作として生き残っているクラシック音楽のように,真に価値のある作品を再演奏するというかたちでの音楽文化しか残らないのではないかと思う。そうなってくると,今後は,演奏の独自性に創作性を認め,実演を主体とする著作権保護に移行していくことが明らかだと思われる。巨大なレーベル支配の時代は終わる。
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