フランス:携帯電話用電波塔の建設に対する懸念
携帯電話などの電波デバイスに用いられる電波による健康被害の有無については,科学的な証明ができなとされているが,その懸念はまだ完全には払拭されていない。なにしろ新しい技術なので長期間の使用による影響が未知数だからだ。そのため,健康被害の懸念から電波塔の建設に反対する意見は根強く残存している。フランスでは,健康被害についての科学的証明がないということだけでは納得できない人々による反対運動が根強いようだ。下記の記事が出てきた。
French mobile mast debate raging
BBC: 24 July 2009
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/click_online/8167716.stm
健康被害については,科学的な証明ができない限り,健康被害の可能性を理由とする建設差止請求訴訟などが認容される可能性はない。このことは,日本でもフランスでも同じ。
他方,健康被害とは無関係なことだけれども,景観を損なうという理由ではどうだろうか?
その場合でも同じだろうと推測する。
日本では昔から「借景」という文化があった。にもかかわらず,日本の裁判所は「景観」というものの価値について非常に冷淡なので,「景観の阻害」を理由に何か訴訟を提起しても請求が認容される可能性は低いといえる。
しかし,電波塔だけではなく,商業宣伝用の看板その他の屋外の構造物の無秩序さには目にあまるものがある。全体としてみると,まるでゴミ箱のような印象を受けるのは私だけではないだろう。「これでは日本人の美意識や芸術的感性がどんどん破壊されてしまうのも無理はない」と常に感じている。
| 固定リンク
« 電子商取引ホスティングのNetworks Solutionsから,ハッキングにより顧客クレジットカード情報が大量に漏えいした疑い | トップページ | 総務省:公的個人認証サービス普及拡大検討会第3回議事概要 »
コメント