Virginの新しいビジネスモデル
音楽ファイルのファイルシェアリングは,音楽産業にとっては非常に頭の痛い問題の一つだ。P2Pサイトを含め,フリーのサイトでファイルがシェアされてしまうと,課金のしようがなくなってしまう。だから,神経を尖らせることになる。
ヴァージンは,ヴァージンのブロードバンド利用者に対し,月額の固定料金を支払えば,いくらでも自由にダウンロードできるというサービスの提供を始めたようだ。このような月額固定料金というモデルは,それ自体としては目新しいビジネスモデルであるとは言えない。しかし,音楽産業がそれを採用したということに注目すべきだろう。
Anti-piracy music deal for Virgin
BBC: 15 June 2009
http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/8100394.stm
ちなみに,様々な文書を読んでいると,ファイルシェアによって失われたと推定される逸失利益の額について,かなり過大な推計をしているものが多いように思う。それでなくても,音楽や映画などのコンテンツそのものに対する需要が基本的に激減しており,市場全体が急激に規模縮小しているはずなので,推計の基礎が間違っているのだ。最も愚かなものでは,音楽の愛好家が24時間音楽を聴取し続けることを前提にしても成立しそうにない数値をあげているものがあった。そんなことは絶対にあり得ない。全人口の中のせいぜい数パーセントの人が一日1時間くらい聴取するということ,そして,普段は既に購入したCDやLPを聴取したりテレビやラジオの放送を聴取したりするのが一般的なので,新たにお金を払って購入するCDやDVDの数は最初からかなり少ないということを前提にするのであれば,そのような前提で推計された数字を信じても良い。
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