EU:RFIDタグを用いたセンサーベースのネットワークにおけるプライバシーと個人データ保護のためのガイドライン
RFIDタグとセンサーなどの装置を用い,個々のセンサーで受信した信号をネットワーク上で集中管理して利用するような仕組みをセンサーベースのネットワーク(Sensor-based Networks)と呼ぶらしい。日本で一般に考えられているユビキタスネットワークのようなものは,まさにこのセンサーベースのネットワークの代表例または典型例と考えて良いだろう。
このセンサーベースのネットワークについては,以前から非常に大きな批判が世界的に存在している。あまねく(ユビキタスに)センサーを設置し,それらのセンサーをネットワーク化して管理することは,結果的に,情報の超集中をもたらす。その情報が個人同一性識別情報である場合には,そのネットワークの管理主体による超監視社会が実現してしまうことになる。このようなあまりにも単純で明白・自明な原理が問題のすべての根本にある。
そのような中で,ECの委員会は,センサーベースのネットワークに関する勧告としてガイドラインの一種を公表した。RFIDタグと関連する法律問題を考える上では,必読の文献の一つというべきだろう。
COMMISSION RECOMMENDATION of 12.5.2009 on the implementation of privacy and data protection principles in applications supported by radio-frequency identification (C(2009) 3200 final)
Brussels, 12.5.2009
http://ec.europa.eu/information_society/policy/rfid/documents/recommendationonrfid2009.pdf
なお,この問題については,OECDの専門家会合でも討議がなされた模様だ。
CSISAC Report: OECD Event on Sensor-based Networks
http://csisac.org/2009/06/csisac_oecd_rfid.php
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