EU:インターネットアクセスは基本的人権の一種?
世界各国で,違法サイトへの接続遮断のための法制化が進められており,実際に遮断実例も増加しつつある。これは,主にスパムやボットなどを発信するためのサイトや著作権侵害のためのサイトなどの違法サイトに対してなされるものなのだが,このことに関して様々な議論が起きているようだ。
Council Of Europe: Access To Internet Is A Fundamental Right
Intellectual Property Watch: 8 June 2009
http://www.ip-watch.org/weblog/2009/06/08/council-of-europe-access-to-internet-is-a-fundamental-right/
French Minister Says HADOPI Law A 21st Century Reality
Intellectual Property Watch: 10 June 2009
http://www.ip-watch.org/weblog/2009/06/10/french-minister-says-hadopi-law-a-21st-century-reality/
フィルタは,サイトそれ自体を接続遮断したり消滅させたりするものではなく,サイトへのアクセスを管理するだけだが,特定のサイトがインターネットに接続できないようにしたり,特性のサイトそれ自体を消滅させるとなると,より大きな社会問題となることは当然のなりゆきだろう。しかし,インターネットが無法地帯であってよいはずはない。例えば,フランスの大臣は,「海賊行為はパラサイト経済だ」と言っているが,確かにそのような評価は可能であり,投資をした者が利益を回収することができない社会になれば,地球全体の経済がおかしくなってしまうことを避けることができない。その一方で,「インターネット上のコンテンツは無料で入手して使うものだ」と信じているような世代が世界中でどんどん増えてしまっているのも事実だと言える。ここらへんにこの問題の本質があるのではないかと思う。
今後,この関連の議論の動向をきちんと観察し続ける必要がある。
[追記:2009年6月12日]
関連記事を追加する。
ネット接続遮断は人権侵害――仏憲法評議会、違法ダウンロード規制法で違憲判断
Yomiuri Online: 2009年6月12日
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/cnet/20090612-OYT8T00677.htm
HADOPI's had it: French overturn three-strike piracy law
CNET uk: 11 June 2009
http://crave.cnet.co.uk/software/0,39029471,49302595,00.htm
Internet access is a fundamental human right, rules French court
Daily Nail: 12th June 2009
http://www.dailymail.co.uk/news/worldnews/article-1192359/Internet-access-fundamental-human-right-rules-French-court.html
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