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2009年6月22日 (月曜日)

総務省が「ストリートビューは違法ではない」との検討結果をまとめたらしい

総務省の検討部会は,ストリートビューの問題について,「ぼかし処理などが行われている限り、大部分はプライバシーや肖像権との関係で違法とならない」との見解をまとめたとの報道がある。ただし,どのレベルでの見解なのかははっきりしない。

 グーグル・ストリートビュー「違法でない」…総務省部会
 Yomiuri Online: 2009年6月22日
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090622-OYT1T00865.htm

仮に総務省の検討部会が上記のような見解をまとめたということが事実だったと仮定した場合,次の報道記事はどのように理解したらよいのだろうか?(爆笑)

 ストリートビューお手柄、強盗を特定 オランダ
 AFP: 2009年06月20日
 http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2613215/4286433


[追記:2009年6月23日]

下記のような詳報がでていた。

ストリートビューの法的問題を整理、総務省の研究会
「違法ではない」が、より一層の対策を求める
Internet Watch: 2009/6/23
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090623_296049.html

これは報道記事なので正確であるとは限らないし,報告書(案)そのもののを読んだ上での感想ではないのだが,はっきり言って根本から間違った結論だろうと思う。Googleのビジネスの本質を全く理解していない。
Googleのビジネスの本質は,「データ」の自由自在な自動リンクにある。だから,個々のパーツだけ見ていたのではだめで,全体としてどうなるのかを常に考察しなければならない。
そのような観点からすると,個々のナンバープレート等の情報がそれ自体としては「個人情報」に該当しない場合であっても,データのリンクにより個人識別性を付与されてしまうことが非常に多いと推定される。すなわち,ストリートビューの映像の中には,ミクロ的考察の下においては「個人情報」に該当しなくても,データの自動リンクを本質とするGoogleという環境を念頭においたマクロ的考察の下においては「他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるもの」となる場合が多く含まれていると考えるのが正しい。つまり,ビジネスモデルそれ自体が最初から個人情報侵害的であり,それなしには成立し得ないビジネスモデルなのだ。

この検討委員会の委員には非常に優れた人が何人か含まれているのだけれども,結果としてミクロ的考察をつぎはぎしたようなあまりにも姑息な議論しか許されないところをみると,立場上,政治的圧力に屈しなければならない何らかの背景事情があるのだろうと疑いたくなる。

ちなみに,議論が複雑になっている理論上の原因としては,日本国の個人情報保護法がオプトアウトを基本としているということがある。もし日本国の個人情報保護法がオプトインを基本とする法制であったとすれば,議論はもっと単純であり,全く別の結論が出ただろうと思う。

というわけで,この私としては,自由な発想と自由な思考と自由な表現を守り続けるために,どんなに辛く,他人から蔑まれるようなことがあったとしても,黙々と孤独な道を歩み続けることにする。

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