Gene Patents and Collaborative Licensing Models: Patent Pools, Clearinghouses, Open Source Models and Liability Regimes
最近,非常に面白い書籍の出版が相次いでいる。例えば,下記の新刊書は,昨年秋に開催された法とコンピュータ学会の研究会におけるコンラッド氏(カナダ)の講演のメインテーマでもあったパテントプールとコラボレイティブ・ライセンシングについてとてもわかりやすく書いてある本で,その可能性と課題とをより鮮明に認識・理解・把握することができると思う。とは言っても,これは海外の出版物の話題だ。
Geertrui Van Overwalle (ed.)
Gene Patents and Collaborative Licensing Models:
Patent Pools, Clearinghouses, Open Source Models and Liability Regimes
(Cambridge Intellectual Property and Information Law)
Cambridge University Press (2009/6/11)
ISBN-13: 978-0521896733
日本の出版状況は,依然として低調のままだ。もちろん,新刊書の出版点数は数え切れないほど多い。しかし,ごく一部の例外を除いては,どれもこれもほとんど内容がない。書籍として刊行されたものだけではなく,最近発表された学術論文等を読み漁っていても,その感が強まるばかりだ。ある種の自己閉塞状況のようなものがあるのではないかとさえ思ってしまうくらいだ。
日本の若手研究者や若手法曹は,カビが生えたように膠着してしまっている「通説・判例」の世界から一旦視線を移し,ちょっと異なった視点から書かれている海外の書籍を夢中になって読みまくってほしいものだと思う。そして,そこから刺激を受けて,新しい発想で新しい法理論と法律実務をどんどん構築していってほしいものだと切に願う。
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