Cyber Fraud: Tactics, Techniques and Procedures
アマゾンに注文していたCyber Fraudという新刊書が届いたので,早速読んでみた。とても面白い。
Kellie Bryan, James Graham, Rick Howard, Ralph Thomas, Steve Winterfeld
Cyber Fraud: Tactics, Techniques and Procedures
Auerbach Pub. (2009/4/23)
ISBN-13 978-1420091274
日本にも類書がないわけではないが,どうしても技術面に偏りすぎたり(←論者が自然科学系の者であるためと思われる。),妙な文化論でおしまいになってしまっていたり(←論者が法律家ではないためと思われる。),刑法解釈論としてはどうしても納得できないものであったり(←おそらく,論者自身がインターネットやそれを構成する技術について無知のためと思われる。),あるいは,単なるジャーナリズムに過ぎないものであったりという具合で,満足できる書籍が滅多にない。
今回読んでみたCyber Fraudは,米国の法制を念頭に置いているものなので,米国連邦及び各州のComputer fraudの罪について正確な認識・理解をもたず,日本国の刑法に関する理解だけを前提に読むとミスリードしてしまうかもしれないという危険性はあるが,そういう部分があるということを考慮しても,それでもなお面白い。
法科大学院のサイバー法の授業で学生に紹介できる参考書が1冊増えた。
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