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2009年5月31日 (日曜日)

EU:Google Bookの影響について検討を開始

Googlew Bookについては,米国で著作者(団体)との間で集団訴訟が起きていたが,先ごろ和解が成立した。しかし,その問題点について十分に理論的・法律実務的な検討がなされてきたわけではない。EUは,このGoogle Bookについて,専門委員会を構成して徹底的な検討を開始することになったようだ。その結論がどうなるのかは判らないが,注目し続けるべき動きであることは間違いない。

 EU to study how Google Books impact authors
 REUTERS: May 28, 2009
 http://www.reuters.com/article/technologyNews/idUSTRE54R5M420090528

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フランス:Web 2.0上でコンテンツ配信をするホスティングサイトについて著作権侵害はないとする判決

下記の記事を発見した。日本では逆の判断をする裁判官がいるかもしれない。インターネットと通信のことをよく知らないのに,ちょっとかじっただけで全部判ったつもりになって判断してしまうと,そういうことになりがちだ。しかし,「日本の普通の裁判官は,フランスの裁判例を日常的にトレースできるほど暇ではないだろうなァ・・・」と,つい思ってしまう。

 French courts give clear decisions for hosted content
 EDRI: 20 May, 2009
 http://www.edri.org/edri-gram/number7.10/france-decisions-hosting


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総務省:「電波政策懇談会」報告書(案)に対するパブリックコメントの募集

総務省のサイトで,下記のパブリックコメントの募集が開始されている。締め切りは,平成21年6月19日(金)午後5時(必着)とのこと。

 「電波政策懇談会」報告書(案)に対する意見募集
 平成21年5月29日
 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban09_000011.html

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2009年5月30日 (土曜日)

IPA:複数のCisco Systems製品におけるセキュリティ上の弱点(脆弱性)の注意喚起

IPAは,複数のCisco Systems製品にセキュリティ上の脆弱性が発見されたとして,注意喚起をしている。

 複数のCisco Systems製品におけるセキュリティ上の弱点(脆弱性)の注意喚起
 IPA: 2009年5月29日
 http://www.ipa.go.jp/security/vuln/documents/2009/200905_cisco.html

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エクササイズDVDの海賊版をネット上で販売していた女性が逮捕される

ヤフーオークションで「コアリズム」というエクササイズDVDの海賊版を販売していた女性が逮捕された模様だ。

 「損失を取り戻そうとした」--「コアリズム」海賊版DVD販売で逮捕
 CNET Japan: 2009/05/29
 http://japan.cnet.com/news/sec/story/0,2000056024,20394030,00.htm

あまりにも古典的な著作権侵害行為なので,むしろ驚きを覚えてしまうかもしれない。しかし,このような単純な海賊版の販売はかなり多数存在しているようだ。ちなみに,一時非常に流行った「ビリーズブートキャンプ」というエクササイズDVDでも,相当大量の海賊版が出回っていたらしい。

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インドネシア:誹謗中傷禁止法は言論の自由を制限している?

インドネシアでは,昨年,インターネット上の誹謗中傷を禁止する法律が制定された。しかし,この法律はインターネット上の言論自由(free speech)を制限するものだという批判が強い。インドネシアの憲法裁判所も法律の見直しを求める判断を示したようだ。

 Defamation law restricts free speech in Indonesia
 ABC: May 8, 2009
 http://www.radioaustralia.net.au/connectasia/stories/200905/s2564463.htm

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米国:オバマ政権がサイバーセキュリティオフィスを設置

米国のオバマ大統領は,米国内の情報ネットワークをサイバー攻撃から守るため,新たにサイバーセキュリティオフィスを設置する方針だと報道されている。

 US launches cyber security plan
 BBC: 29 May 2009
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/8073654.stm

 Obama's Cybersecurity Initiative Wins Praise
 Grant Gross, IDG News Service (PC World): May 30, 2009
 http://www.pcworld.com/article/165773/obamas_cybersecurity_initiative_wins_praise.html

 New US command to focus on cyber battlefield
 Inquirer: 05/30/2009
 http://newsinfo.inquirer.net/breakingnews/infotech/view/20090530-207960/New-US-command-to-focus-on-cyber-battlefield

また,同時に,米国の国防総省は,サイバー戦争に対応するため,新たにサイバー戦争部隊を設けるとも報じられている。

 Pentagon plans new cyberspace war command: report
 REUTERS: Fri May 29, 2009
 http://www.reuters.com/article/topNews/idUSTRE54S0XQ20090529

日本国においては,このような動きは極めて緩慢であり,ほとんどゼロ・セキュリティに近い状態にある。

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テレビ番組の海外配信サービス業者が逮捕される。

ロクラク事件などについて,テレビ局側の完全敗訴という誰が考えても当たり前の判断が知財高裁で出されたばかりだが,類似のサービスを提供していた業者が逮捕されたようだ。事案のどこが異なるのかについての詳細は判らないが,完全無罪の可能性はある。

 海外へ日本の番組をネット配信 警視庁、容疑の男女逮捕
 産経ニュース:2009.5.29
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090529/crm0905291202010-n1.htm


[関連記事]

 2009年04月02日 (報道発表)「まねきTV」事件および「ロクラク」事件に関する知財高裁判決に対する民放連会長コメントについて
 (社)日本民間放送連盟: 2009年4月2日
 http://nab.or.jp/index.php?cmd=read&page=2009%C7%AF04%B7%EE02%C6%FC%20%A1%CA%CA%F3%C6%BB%C8%AF%C9%BD%A1%CB%A1%D6%A4%DE%A4%CD%A4%AD%A3%D4%A3%D6%A1%D7%BB%F6%B7%EF%A4%AA%A4%E8%A4%D3%A1%D6%A5%ED%A5%AF%A5%E9%A5%AF%A1%D7%BB%F6%B7%EF%A4%CB%B4%D8%A4%B9%A4%EB%C3%CE%BA%E2%B9%E2%BA%DB%C8%BD%B7%E8%A4%CB%C2%D0%A4%B9%A4%EB%CC%B1%CA%FC%CF%A2%B2%F1%C4%B9%A5%B3%A5%E1%A5%F3%A5%C8%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6

 テレビ局はなぜ負けた? 津田氏に聞くロクラク事件
 MSNデジタルライフ: 2009年2月16日
 http://digitallife.jp.msn.com/article/article.aspx/genreid=115/articleid=392386/page=18/


[このブログ内の関連記事]

 ロクラク事件控訴審判決(平成20(ネ)10055号著作権侵害差止等請求控訴事件)
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/2010055-5e3a.html

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中国:海外企業の買収が活発化

昨年のリーマンショックからの経済の立ち直りが進んでいるとは言えない状況にあるが,中国企業が中国外にある外国企業を買収する例が急増しているようだ。日本の企業が買収されまくる日も近いかもしれない。

 中国企業の海外M&Aが加速、6年間で100倍の規模に
 Record China: 2009年5月26日
 http://www.recordchina.co.jp/group/g31749.html

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2009年5月29日 (金曜日)

EU:消費者向け物品に付されるRFIDに関し,個人データ保護に積極姿勢

下記のニュースが出ている。日本での議論はなぜか停滞気味だ。

 EU supports RFID with proper protection of consumers' privacy
 EDRI: 20 May, 2009
 http://www.edri.org/edri-gram/number7.10/rfid-european-commission-recommandation

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児童自らが個人情報を開示してしまうことによる犯罪被害

国(文部科学省)は,初頭中等教育において,児童が積極的にITを活用し情報発信をすることを推進するような教育方針を維持してきた。テクニカルな面しか教育してこなかったことや,そもそも「教育の根幹」にかかわる部分には何も配慮をせずにそのような教育を推進してきた結果としての弊害が目に付き始めている。

例えば,児童が自らの個人情報をブログや掲示板などに開示してしまうために,その個人情報の開示が加害行為を誘発してしまうことがある。児童ポルノや児童買春などの事例では,児童の個人情報をもとに加害者が児童の所在等を探索することがしばしばある。他方では,誹謗中傷の目的,あるいは,何か問題が発生するのではないかということを全く配慮せずに,他の児童の個人情報や画像などをブログや掲示板にアップロードしてしまうような事例も多数ある。

 “個人情報公開”子供のネット犯罪被害も多発
 産経ニュース: 2009.5.28
 http://sankei.jp.msn.com/economy/it/090528/its0905280122000-n1.htm

これらの問題について,いわゆる「ITの専門家」と自称する人々は,「情報倫理」の重要性を訴える。そのこと自体は間違いではないかもしれない。しかし,ものごとの本質から完全に目をそむけているので,絶対に問題の解決にはつながらない。

ネットであれ現実社会であれ,人間は,動物である以上,生存本能に基づいて生きており,各自がすべて生存本能を有している以上,常に生存競争にさらされ続けることになる。

したがって,「自分の隣人は,常に潜在的な敵」という事態が常に発生し続ける。それゆえ,隣人に対しては,常に警戒し,冷静に観察し,絶対に信頼してはならず,自分に害となる結果が発生したときはいつでも効果的かつ合法的に反撃できるように周到に準備し訓練を怠っておかなければならず,相手に自分の弱点を知らせないため,自己についての正確な情報は絶対に公表しないようにし,社会は決して自由でも平等ではなく,自分の夢を実現できる者は極めて少数であり,理念と現実とは全く異なるだけではなく,ほとんどの場合において理念は空想に近いものだ」という当然のことを理解する必要がある。このような当たり前すぎることをちゃんと教え,強い個人を育てるのが教育の本質でなければならない。

しかし,現実には,何の工夫も努力もしなくても世の中は「平和」であり,人々は当然に「自由」で「平等」であり,みんな「善人」で「仲良し」だ,と虚偽のことばかり教えるのが教師の役割となっている。

このように書くと,何かギスギスした感じになってしまうのだけれど,事実だからしょうがない。現実に,世の中にはオオカミやハイエナやキツネやタヌキなどがうろうろしている。そうでなければ,犯罪なと発生しようがないはずだし,ただの一人の警察官も必要なくなってしまうはずだ。事実を事実として認めない者のことを,世間は,「嘘つき」または「馬鹿」と呼ぶ。

もちろん,児童の中には「賢い子」もたくさんおり,そのような子は,本当はちゃんと判っているのだけれど,教師や同級生の手前,普通の子を装い,「仲良し」のようにふるまっていることが圧倒的に多い。もちろん,教師よりもはるかに優れた知能や様々な能力を有する児童が現実に非常に多数存在する。それを理解できないのは教師だけだ。そのような賢い子に対しては,何も教育をほどこす必要はない。すでに自力でやっていく能力を持ち,その手法を身につけている。また,そのような「賢い子」は,世間から警戒されないようにすべく,いかに自己を隠蔽し偽装するかを常に考え続け,そのように演じ続けている。そうしなければ世界から警戒されてしまい,損をしてしまうからだ。強いて言えば,そのような児童に対しては,できるだけハードな課題を与えるだけでよい。その課題をこなすかどうかは自己責任の問題なので,課題をこなさなくても特に指導する必要はない。本人から求めがあった場合にのみ,適切なアドバイスをすれば足りる。それが「あるべき教育」なのであって,教師のほうが圧倒的に優秀であることを前提とした現行のシステムは,その根本において虚偽であり空虚であると言わざるを得ない。本当に優秀な児童の前では,本当は,非常に多くの教師が無能者に近いくらい劣っているという明らかな事実を率直に認めるべきだ。とは言っても,能力的に劣る教師は,児童の優秀さを認識することもできないので,正確に自己評価できないという問題があり,また,教師を評価する役割を担っている組織等が基本的には徹底して無能または愚劣であることが普通なので(←本当に優秀な人材は,他人に対する評価といったタイプの仕事をしている暇など全くない。自己の求める仕事に没頭しているか,あるいは,あちこちからひっぱりだこになって多忙を極めている。),結局何も解決しようがないということもまた事実なのだが・・・

問題は,そのような賢い子ではない児童だ。徹底した訓練(または,場合によっては洗脳)が必要になるだろうと思われる。少なくとも微温的な情報倫理教育では何の効果もない。

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2009年5月28日 (木曜日)

ライフログ

最近,各方面で「ライフログ」なる用語を目にすることが多くなった。おそらく造語と思われるが,要するに,個人の行動の記録のことを指す。自分自身が自己の行動記録を自分の日記や手帳等に記録することは別段珍しいことでも違法なことでもない。しかし,第三者が勝手に他人の行動記録を作成し,それを商業利用しようとするところに大きな問題が発生する。プライバシー保護の観点からすれば,本人の事前の同意なしに他人の行動記録を作成して商業利用することは,明らかに違法な侵害行為であり,損害賠償賠償責任が発生するだけではなく,事案によってはストーカー規制法,軽犯罪法,迷惑防止条例などに抵触し処罰される可能性もあり得ることについて異論は全くない。それに異論を唱えているのは金銭的利益のためには手段を選ばない悪徳商人のような企業と全く不勉強な一部の悪質なコンサルタント的な人々,あるいは,ごく一部の無責任かつ不勉強極まりない似非学者のような人々だけである。

 事業化をはばむ「ライフログ」のプライバシ問題
 IT Pro: 2009/03/09
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090302/325729/

今後,クラウド・コンピューティングや携帯電話での各種サービスを含め,Web上のアプリケーションとして非公開の日記や手帳のようなサービスがますます提供され利用されることになるだろう。クライアントマシンベースのアプリケーションでは,ボットやスパイウェアなどを用いるのでない限り,個人の行動記録を他人が入手することは難しいのではないかと思われる。しかし,Web上のアプリケーションやサービスの利用に伴い,ISPなどがその情報を入手することが(物理的には)比較的容易になったという状況が生まれている。

そして,そのような情報を活用すれば「利益」が生まれるのではないかと考える強欲な人々が出てくることもまた驚くに値することではない。

しかし,かつで「CRM」がもてはやされたころ,それによって利益を得たのは,結局,CRMの導入を強く勧め,法外なコンサルタント料をせしめることに成功した悪徳コンサルタントだけである。実際にCRMを用いて何らかのビジネスを行おうとしていた企業の中で,経費を差し引いた後の利益を得たところは,現実にはかなり少ない。つまり,「CRMが利益を生まない」ということは既に歴史的事実として証明されていると断言できる。

強いて言えば,暴力団などに個人情報を売りさばいた企業は利益を得たかもしれない。しかし,そのような違法行為でもしない限り,顧客の情報を集め分析しマーケティングに応用したということだけで利益が生まれることは,原理的にあり得ないことだと信じているし,これまでずっとそのように主張してきた。

だから,もし企業経営者が「自分は賢い経営者である」と自認しようとするのであれば,「ライフログの活用によって利益を得ることができる」と唆しにやってくる悪徳コンサルタントや似非シンクタンクのような人々の甘言に乗り,騙されることがあってはいけない。

なお,警察マターとしては,「ライフログ」が悪用または濫用されることにより,要人に対するテロを含め,特定の個人に対する加害行為の発生確率が異常に上昇する可能性があることを認識すべきだろう。個人の行動記録によって,行動分析をすれば,どのタイミングでどの場所で狙えば確実に加害行為を成功させることができるのかが,加害者にとって,より正確で実効性のあるものとして測定可能となるからだ。したがって,社会秩序の維持と犯罪の抑止という観点からすれば,商売としての「ライフログ」は,常に警察の敵となることであろう。それと同時に,ライフログは深刻なレベルでの捜査妨害手段となり得る。なにしろ,捜査官の「ライフログ」もまたどこかで取得・記録されている可能性があり,犯罪者や犯罪者集団がそのような記録を見逃すはずがないからだ。つまり,最悪の場合,捜査が常に後手に回ってしまい,犯罪者をぜんぜん検挙できなくなってしまう危険性もある。

[追記:2009年6月11日]

いろいろと調べてみた結果,かつて米国のDARPAが企図したLiflogと目下議論されている日本語としての「ライフログ」とは基本的に別物らしいということがわかった。混同するおそれがあるので,現在使われている現代造語としての「ライフログ」のほうを使用禁止用語とすべきだろうと思う。「ライフログ」ではなく,「データマイニング」を用いることで十分ではなかろうか。

 あらゆる個人情報を記録する米国防総省の新プロジェクト
 Wired Vision: 2003年5月21日
 http://wiredvision.jp/archives/200305/2003052102.html

 米国防総省の『ライフログ』プロジェクト、真の目的は人工知能構築
 Wired Vison: 2003年7月31日
 http://wiredvision.jp/archives/200307/2003073103.html

 米国防総省、問題の『ライフログ』プロジェクトをひそかに打ち切り
 Wired Vision: 2004年2月6日
 http://wiredvision.jp/archives/200402/2004020606.html

 中止された米国防総省『ライフログ』プロジェクト、新名称で復活か(上)
 Wired Vison: 2004年9月17日
 http://wiredvision.jp/archives/200409/2004091702.html

 中止された米国防総省『ライフログ』プロジェクト、新名称で復活か(下)
 Wired Vision: 2004年9月21日
 http://wiredvision.jp/archives/200409/2004092108.html

 LifeLog: Because Big Brother Cares What You're Thinking
 http://www.sweetliberty.org/issues/privacy/lifelog.htm

 Pentagon Developing Tool To Monitor Your Life
 Monday June 02, 2003
 http://www.prisonplanet.com/pentagon_developing_tool_to_monitor_your_life.html

 Lifelogging: Privacy and Empowerment with Memories for Life
 http://eprints.ecs.soton.ac.uk/17123/

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総務省:情報通信審議会 情報通信技術分科会IPネットワーク設備委員会安全・信頼性検討作業班(第16回)の開催

総務省の「情報通信審議会 情報通信技術分科会IPネットワーク設備委員会安全・信頼性検討作業班(第16回)」が平成21年6月2日 14:00から開催される。事前申込(平成21年6月1日(月)12時まで)により傍聴することができる。

 情報通信審議会 情報通信技術分科会IPネットワーク設備委員会安全・信頼性検討作業班(第16回)
 総務省:平成21年5月27日
 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/ipnet/13814.html

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2009年5月26日 (火曜日)

ストリートビューの問題は国(総務省)レベルでの検討へ

ストリートビューについては様々な議論があったし今でも続いている。その中で個人情報,プライバシー,肖像権等と関連する法律問題は,IT業界の中で正しく理解されていないかもしれない多数問題を多く含んでいることから,なかなかうまくいかないことが決して少なくない。しかし,侵害行為は侵害行為なので,何らかの適切な対策を講ずることが必要となる。

この問題については,東京都情報公開・個人情報保護審議会でも審議がなされてきたが,今後,国(総務省)の立場でも検討が進められることになったようだ。

 「ストリートビュー」洗濯物の画像はプライバシー侵害か?  東京都の審議会、総務省に検討を要請
 Internet Watch: 2009/05/25
 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/05/25/23552.html

なお,このブログでは既に触れているが,公衆送信を全く前提とせずに屋外で公開されている著作物の映像等をインターネットを通じて公衆送信した場合,著作権侵害の問題が発生し得ることも忘れてはならない。また,防衛,要人警護,対テロ対策,治安維持の問題を含め,一定限度で撮影禁止場所を設定することが必要な場合があることも念頭に置いた上で,全体としての問題の解決をはかる必要があるだろう。

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2009年5月25日 (月曜日)

ボットネットの実際

文字情報としては「ボットネットの脅威」を何度も目にするようになった。しかし,実感がわかない。なぜなら,文字情報しかないからだ。それが実際にはどのようなものであるのかを,より具体的なイメージで想像できるようになるのでなければ,単なる「文字」の上での脅威に過ぎないことになってしまい,いつまでたっても情報セキュリティのレベルが向上することはない。「文字」はシンボルまたはトークンの一種に過ぎず,それ自体としては「意味」や「概念」を直接に示すものではないので,当然と言えば当然のことだろう。

というわけで,情報セキュリティと関連する講義などを担当しながら,「どうやればもっと具体的なイメージを学生に伝えることができるか?」が日々の課題となってしまうことになる。

そんなことを考えながら,たまたまCNETの記事を漁っていたら,面白い記事を見つけた。

 フォトレポート:知られざるボットネットの内側
 CNET Japan: 2009/05/25
 http://japan.cnet.com/news/sec/story/0,2000056024,20393505,00.htm

イメージ(写真)だけだが,ある種の標本箱であることは間違いない。これは教材として使うことができそうだ。

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総務省:ソフトバンクに対する行政指導に対する対応状況に関する報告の公表

総務省がソフトバンクに対して行った行政指導について,ソフトバンクから対応状況に関する報告がなされたようで,その概要が公表されている。

 ソフトバンクモバイル株式会社に対する行政指導に係る報告
 総務省:平成21年5月25日
 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban05_000017.html

従前は,行政指導がなされる場合でも,それがなされた事実それ自体が報道されることが珍しく,まして,行政指導の結果どうなったのかが報道されることは皆無だった。これは,マスコミ及びジャーナリズム全体の怠慢としか言いようがないことだと思う。

しかし,マスコミが何もしなくても,国(またはその機関)から必要な情報提供がなされるようになったので,それによって国民の「知る権利」が少しだけ充足されたことになると思う。

要するに,マスコミよりも国の機関のほうが多くの情報を国民に提供するという「大本営発表方式のほうが良い」とマスコミも考え,そのような事態を是認しているということなのだろう。

これは,一種の文化とでもいうべきか,あるいは,国民性の一種なのかもしれない。

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韓国:図書館のデジタル化が進行中

韓国におけるIT事情については,判ったような判らないような部分がある。表現が大げさなことがあるので「本当かな?」と思っても,現実に試してみることができないことが多いからかもしれない。とはいえ,様々な報道が常に流れてくるところが面白い。デジタルライブラリの状況について,下記の論説を見つけた。

 Library Going Digital
 Korean Times: 05-20-2009
 http://www.koreatimes.co.kr/www/news/nation/2009/05/113_45292.html

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英国は電化製品のリサイクル率最悪国?

BBCによれば,英国は電化製品のリサイクル率が最低の国なのだそうだ。

 UK 'worst electrical recycler'
 BBC: 22 May 2009
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/8063115.stm

しかし,ちょっと冷静になって考えてみると,「リサイクル率が低いと,どうして悪いのか?」という点について,完全に納得のいく説明を得ることが非常に難しいことに簡単に気付くことができる。だからといって,ゴミをどんどん出してよいと言っているわけではないが,地下資源の消費が進めばその廃棄(排出)もどんどん出るのが当然のことだ。「景気が良い」ということは,「資源を消費し,廃棄物を大量に排泄する」というのと完全に同義だ(←「ヒト,モノ,カネ」で説明することは,経済現象の表層にある現象面の説明としては正しいかもしれないが,その本質を微塵も説明していないことになると思われる。)。他方で,昨年9月以来の景気の低迷により,流通や排出の絶対量は明らかに大幅に減少しているはずなのに,いまだに「率」だけでものごとを考えようとするのは,相当の愚者か詐欺師か何かでなければできないことだろうと信じている。「絶対量」という要素は非常に重要な要素であり,ある構成要素が一定の分量未満であるかそれ以上であるかによって,物理現象それ自体が変化してしまうことさえある。リサイクルだけではなく,どんなことを考える場合でも全く同じであり,「絶対値」という要素を無視して「率」だけで考えてみても,所詮うまくいくはずがない。

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2009年5月24日 (日曜日)

マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2009)

下記のシンポジウムが開催される。

 マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム
 主催:情報処理学会(マルチメディア通信と分散処理研究会,グループウェアとネットワークサービス研究会,モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会,コンピュータセキュリティ研究会,高度交通システム研究会,ユビキタスコンピューティングシステム研究会,インターネットと運用技術研究会)
 日程:平成21年7月8日(水)~10日(金) 
 会場:大分県 別府温泉 杉乃井ホテル
 http://www.dicomo.org/2009/

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中国:サイバー犯罪に対する法的対応を強化

中国政府は,急増するサイバー犯罪に対応するため,法整備を促進する模様だ。社会主義国という国情もあるけれども,中国においてもネットを活用したビジネスや業務が急激に拡大している以上,国内でのサイバー犯罪が今後急増し,国内経済や国民生活に対して無視できないほどの悪影響を及ぼすことになるだろうと予測される。もちろん,中国内でビジネスを展開している西側諸国の企業もまた,中国の企業や中国国民と全く同じ立場に立たされている。とりわけ,まじめに労働することなく,ネットの中だけで金銭的利益を得たいと考える層が増加すると,ネット犯罪またはネットを利用した犯罪も増えることになるだろうと予測される。

 Chinese regulations target rising cybercrime
 Computerworld: 19.05.2009
 http://news.idg.no/cw/art.cfm?id=5874E61C-1A64-67EA-E498659C0289F7A2

うかうかしている間に,日本のサイバー刑事法制がアジア地域で最も陳腐で無力なもののように目に映る日があっという間にやってきてしまうかもしれない。このことについては既に何度も主張してきたことなので,その詳細については再論しない。

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米国:ATMへの不正アクセスによる銀行の被害増大

全国の金融ATMは,インターネットを含めたネットワークシステムによって連結されている。連結されているがゆえに即時の送金等が可能となっているので,ネットワークから切り離されたATMなるものを観念することはできない。しかし,それゆえにネットワーク経由での不正アクセスが理論的には可能であることになるだけではなく,むしろ,理論的には「不可避なことである」と言い切っても誇張し過ぎではないかもしれない。また,ATM設置場所であるコンビニなどのアルバイト従業員が加害者となっている場合には,直接にATM装置に違法なアクセス操作をすること(←現行の不正アクセス禁止法では「不正アクセス行為」とはならない。強いて言えば,刑法に定める窃盗罪または電子計算機使用詐欺罪が成立する場合がある。)によって,違法に現金が引き出されたり送金されたりしてしまうことはあり得る。

米国では,このような状況が現実化しているらしい。

 「サイバー泥棒」の米銀行被害、数億ドル規模=FBI
 REUTERS:2009年 05月 20日
 http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-38114520090520

このような問題が生じ得ることは,何年も前から指摘してきたことだ。しかし,誰もまともに扱ってはくれなかった。どういうわけか,私が指摘する「脆弱性」や「問題点」についての言及は,単に「なんくせをつけている」としてしか受け止められないようだ。たしかに,「これからやるぞ!」と意気込んでいるところに,いきなり冷や水をぶっかけるのと同じことをしているのかもしれないから,言われたほうは面白くないだろう。しかし,そう言われる前にちゃんと検討を加え,万全の対策を講じ続けていないのが悪いので,私には一切非はないと思っている。事前に問題点の有無について意見を求められることもあまりないから(←稀に顧問会社等から事前に意見を求められることがあり,そのような申込があれば常に誠実に対応してきた。聞く耳をもつ経営者に対しては,常に敬意を払ってきたつもりだ。そして,事実の問題として,そのようにして事前に問題点を指摘し,その解決策を提案してきた事例では,基本的に,重大または致命的な問題は発生していない。),合理的な根拠なく「なんくせ」をつけていることには絶対にならないと思っている。

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警察庁:児童ポルノの摘発を積極化

全国警察本部の少年課長会議において,吉村博人警察庁長官から,児童ポルノ等の事件について,「これらの事件に重点を置いて積極的に合同・共同捜査を行い、被害児童の発見、保護に努めてほしい」との訓示があった模様だ。

 児童ポルノ、積極捜査を=全国少年課長会議で警察庁長官
 時事通信:2009/05/22
 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009052200639

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2009年5月22日 (金曜日)

情報セキュリティ白書2009

『情報セキュリティ白書2009』が刊行された。詳細は下記のとおり。

 「情報セキュリティ白書2009」出版について
 IPA:2009年5月22日
 http://www.ipa.go.jp/security/publications/hakusyo/2009/hakusyo2009press.html

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総務省:使用済携帯電話回収促進キャンペーン

総務省のサイトで,下記のお知らせが出ていた。

 使用済携帯電話回収促進キャンペーンについて
 総務省:平成21年5月22日
 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban05_000016.html

昨年9月のリーマンショック以降,レアメタルの市況は下がってしまっていたが,潜在的には需要のほうが供給を上回るという基本的な状況に変化はないと考えてよい。したがって,死蔵されているレアメタルを再利用することはよいことだと思う。

ただ,若干問題もないわけではない。

まず,回収するのはよいのだが,回収した携帯電話等に含まれているレアメタルの所有権は本来その携帯電話の所有者の所有権に属していたはずのものなので,そのレアメタルの価格分を携帯電話会社等が利得することは法的に許されることではないということだ(不当利得)。したがって,例えば携帯電話会社が回収主体である場合には,その価格相当額を携帯電話使用料から差し引くなどの措置によって利得がないようにすべきだろうと思う。

次に,携帯電話を完全に回収して資源化した場合,何十年か後には,過去の特定の時点でとのような電子機器が使われていたのかを実物によって知ることができなくなってしまうということだ。つまり,過去の文化を知るための資料が失われてしまう。したがって,国は,各携帯電話会社に対し,1機種について少なくとも1個のサンプルを強制的に提供させ,しかるべき博物館等に資料として保存するような努力をすべきだろうと思う。それでなくても電子的な文物とりわけ電子データは消滅してしまいやすく,将来のある時点で20世紀~21世紀ころの文化を知ろうとしても何も資料が残されていないといった状況が生じる恐れがある。未来の人類がこの時代を眺め返したとき,「文化の空白」の時代として認識するしかないような事態が発生する可能性が高いのだ。このようなコレクションを個人で実行することも不可能ではないが,保存・管理(及びそれにまつわりコストの負担)という点を考えると,国が行うしかない仕事ではないかと思う。

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Adobe Creative Suiteの海賊版を販売していた者が逮捕される

下記の記事が出ていた。最も原始的なタイプの著作権侵害事件と言える。原始的であるがゆえに,いつまでたってもなくならない。

 Adobe Creative Suite海賊版を販売していた男性が逮捕--PtoPから原盤入手
 CNET Japan: 2009/05/22
 http://japan.cnet.com/news/sec/story/0,2000056024,20393568,00.htm

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2009年5月20日 (水曜日)

クラウドコンピューティングの適法要件

昨年来,コラウドコンピューティングについて徹底的に研究を重ねてきたが,結論として,ありとあらゆる面で違法である可能性が濃厚になってきた。いずれそんなに遠くない将来,大きな問題が生じたときには私の意見が正しいと証明されることになるだろうという絶対的な自信がある。

とはいえ,世界的な規模でクラウドコンピューティングの利用が推進されており,日本国の総務省も「データセンター」という名を用いてはいるが,クラウドコンピューティングを積極的に推進する政策を採用している。一応国の政策であり,それに異論を唱えてみても押しつぶされてしまうのに決まっているので,少しだけ冷静になってクラウドコンピューティングの適法要件というものを考えてみた。

あまりにも多くの事項を含むので,このブログで披露するのは適切ではないと思うが,一つだけ紹介したい。それは,「利益相反の回避」だ。

一口にクラウドコンピューティングやSaas等といっても,単純にディスクを貸しているレベルのものから実質的なデータ内容に関与するサービスの提供を含むものもあり,究極的には企業経営の最も大事なところを全部アウトソースするのに等しい馬鹿げたものまで存在している。これらの中で,実質的なデータ内容(個人情報,企業秘密,情報セキュリティを含む。)に関与するという以上のレベルで顧客のデータに関与するタイプのサービスでは,当然,利益相反が生じ得る(←この場合の「利益相反」は,現実には現行民法の定める「自己契約」や「双方代理」とは異なる。現行民法は代理ではないアウトソースの場合における双方 代理類似行為については何も規定しておらず,かなり時代遅れのものとなっている。しかし,この例に示したような事態は,実質的違法という観点からは,「利 益相反」として違法行為であることに何らの疑いもない。)。

例えば,A社とB社とが存在し,A社とB社は,ある分野において敵対関係にある競合企業であると仮定する。そして,A社がX社のクラウドコンピューティングサービスを利用しており,B社もまた利用していると仮定する。この場合,提供されるサービスの内容いかんによっては,当然に利益相反が生じ得る。例えば,A社が秘密に開発中の新製品の開発データをX社のシステム担当者が情報セキュリティの必要上ディスクを管理中にたまたま知ってしまったという事例を想定してみると,競合会社であるB社のためにも仕事をしているX社としては,知らないうちにA社を裏切る行為をしていることになる。単に「知った」というだけでそのことが発生する。知ってはらないのだ。この場合,守秘義務があり,それが遵守されていたとしても,「知った」という事実だけで利益相反は発生する。多数の企業や個人を顧客にもつ大規模なクラウドコンピューティングでは,このような事態の発生を避けることができない(←自社の内部だけでクラウドコンピューティングとシンックライアントPCを利用するのとは状況が全く異なる。)。

この設例のような状況において,違法となることを避けるためには,A社とB社とX社の3者の間で,合意または合意と同等の「何か」が存在することを要する。ところが,X社の立場にたってみると,A社とB社とが敵対関係にあることを事前に知ることができないのが普通であるので,X社から事前に合意をとりつけるように行動することは難しい。

そこで,次善の策として,X社が,その顧客すべてのリストと提供しているサービスのリストを常に事前公開するという方法が考えられる。例えば,X社がA社にサービスを提供しており,そのサービスの内容が何であるのかという情報が公開されていれば,それを事前に検索・検討することによって,B社としては「X社のサービスを利用することは危険だ」ということに気付き,契約締結をしないで済むことになるだろう。そうすれば,事前に利益相反が生ずる原因を事前に失わせることができることになる。

要するに,顧客とその顧客に対して提供しているサービス(役務)の詳細に関する情報を事前に公開していることが適用要件の要だということになる。

そのような見地で,現実に提供されているクラウドコンピューティングの実情についてフィールドワーク的に調査検討を実施してみた。結論として,すべてのサービス提供者において適法要件が全く満たされていないだけでなく,現実に利益相反と思われる事例を幾つか発見することができた。

各社とも,もし「自浄機能のある企業である」と自負するのであれば,自社の顧客についてすべて詳密な調査と再検討を実施すべきだろう。そして,もし利益相反が発生しそうな顧客が存在する場合には,双方に対して公平かつ詳細な説明を尽くした上で,3者間の合意を形成すべきであるし,合意が形成できない場合には,当該クラウド・コンピューティングのサービスから抜ける顧客に対して相当の損害賠償金を支払うことによって,逐次解決すべきだろうと考える。

なお,このブログでは,大規模なクラウドコンピューティングプロバイダが経営破綻すると,その顧客である膨大な数の企業も同時に倒産してしまうという危険性を指摘してきたし,それに伴って,個人情報が散逸することになるけれども現行の個人情報保護法では何も対処できないという問題があることを指摘してきた。これらの点に関し,現時点において,私の意見に変更点はない。

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2009年5月19日 (火曜日)

警察庁:「振り込め詐欺(恐喝)」の認知・検挙状況等について(平成21年1~4月)

警察庁のサイトで,下記の統計結果が公表されている。

 「振り込め詐欺(恐喝)」の認知・検挙状況等について(平成21年1~4月)
 警察庁:H21.5.18
 http://www.npa.go.jp/sousa/souni7/furikome_H21_4.pdf

ここで注目すべきは,振り込め詐欺と振り込め恐喝とがあり得るという理解を前提にした統計だということだ。確かに,恐喝の類型に属するものはある。

さて,詐欺とみることもでき恐喝とみることのできるものもあり得るし,現実には被害者の錯誤を利用した恐喝という側面を常に具有しているとも言い得るので,その場合の構成要件該当性及び罪数関係はどうなるのだろうか・・・?

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過ぎたるは及ばざるが如し

実際にはスイスのほうがより厳しい監視国家となっているのだが,一般的には,英国は世界最高の「監視国家」として知られている。テレビ映画『プリズナーNo.6 』(1967~1968)は,まさに英国だからこそ成立し得た映画だと言っても良い。いま観ても本当に興味深いテレビ映画だと思うし,すべてのテレビ映画の中でも最高傑作だと言って過言ではないだろう。

ところで,その英国で,監視用モニターの映像が多すぎて処理不能という事態が発生しているらしい。

  「データが膨大で手が回らない」--監視カメラ大国の英国で警察が悲鳴
 CNET Japan: 2009/05/18
 http://japan.cnet.com/news/sec/story/0,2000056024,20393264,00.htm

当然のことと言えば当然のことで,こうなってしまうことは誰にでも容易に予見できたと思う。

日本では,今後ますます監視用モニターの設置が推進されることになるだろうけれど,画像を解析して犯罪捜査に役立てるところまでもっていくために膨大な数の警察官が必要となる。しかし,その人件費やシステムの管理・維持費をまかなうだけの財政的基盤は現在の日本には存在しない。つまり,日本でも(経済的な理由により)破綻することが確実だということが可能だろうと思う。

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2009年5月18日 (月曜日)

世界ICTサミット2009

下記のイベントが開催される。事前申込を要し,希望者多数の場合には抽選によるとのこと。

 世界ICTサミット2009-情報消費社会の未来-
 日 時:2009年6月8日-9日
 場 所:日経ホール(東京,大手町)
 主 催:日本経済新聞社,総務省
 参加費:無料(事前申込・抽選制)
 http://www.ict2009.jp/
 http://www.soumu.go.jp/main_content/000022000.pdf

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総務省:平成21年4月「通信産業動態調査」の結果

総務省のサイトで,下記の調査結果(速報)が公表されている。

 平成21年4月「通信産業動態調査」の結果(速報)
 総務省:2009年5月18日
 http://www.soumu.go.jp/main_content/000021867.pdf

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2009年5月17日 (日曜日)

中国:ハッカーグループが起訴されたが・・・

昨年,中国から米国連邦政府のサイトへのハッキングが急増したことが話題となった。当然,中国政府関係者は事実を否定したけれども,西側諸国の大半は少なくとも攻撃元が中国にあったと信じている。その中国でハッカーグループが逮捕・起訴されたらしい。

 As Hacking Hits Home, China Strengthens Cyber Laws
 PC World: May 11, 2009
 http://www.pcworld.com/businesscenter/article/164712/as_hacking_hits_home_china_strengthens_cyber_laws.html

しかし,問題は法の実効性にある。

今後の動向を見極めたい。

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サイバー犯罪者が利用するIPアドレスは1200万以上!

世界にどれだけ多くのサイバー犯罪者がいるのかは判らない。国家それ自体や世界的な著名企業等がサイバー犯罪の主体である場合には,「いったい何人と数えるべきか」それ自体が問題となり得るので,最後まで正確な数字をカウントすることは不可能なのではないかと儲けれども,CNET Japanの記事によれば,マカフィーは1200万以上とカウントしているようだ。

 2009年だけで1200万のIPアドレスが犯罪者に支配されている--マカフィー調べ
 CNET Japan: 2009/05/15
 http://japan.cnet.com/news/sec/story/0,2000056024,20393197,00.htm

この記事の中でも触れられているが,最近,スパムメールの数が再び急増している。スパムフォルダがすぐに満杯になってしまうので,そのことが判るのだ。ISP各社は,利用者の選択により,スパムフォルダに入ったメールについては自動的に消去するオプションをもっと拡大すべきだと思う。もちろん,スパムフォルダに入るメールの中には誤認によって入ってしまう「まともなメール」もあり得るわけなのだが,私の経験では,そのような例外はほとんどない。まともなメールを送信する人は,まともなヘッダとまともな件名とまともな本文によって構成されるメールを送信するからだろうと推測している。

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中国の若者はどのような目的でインターネットを利用しているか

中国におけるインターネットの普及にはすさまじいものがあるらしいのだが,レコードチャイナの報道によれば,ネット中毒に近い者がかなり多数あるという現実があるようだ。

 <調査>25歳以下の青少年、半数が「わいせつサイトを見たことがある」-中国
 Record China: 2009年5月14日
 http://www.recordchina.co.jp/group/g31415.html

日本ではどうなのだろうか?

もしかすると,日本では,ネット中毒の時代を通り過ぎ,既に別の次元に入っているのではないかというのが最近の実感だ。

仮に私の実感が正しいと仮定した場合,やっとのことでネット犯罪等への対応を始めた警察や関係各省庁の対応は,もしかすると時代に即応したことをやっていることになると言えないという結論になってしまうかもしれない。

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2009年5月16日 (土曜日)

IPA:「IT人材白書における2009年度IT人材市場動向調査および人材育成施策との関連分析」の公募

IT人材市場動向の継続的な把握を行うとともに、今後のIT人材育成施策に必要となる基礎データを収集し、白書化を行い、施策の立案に資することを目的として実施される「IT人材白書における2009年度IT人材市場動向調査および人材育成施策との関連分析」について,企画提案の公募が開始となっている。

 「IT人材白書における2009年度IT人材市場動向調査および人材育成施策との関連分析」の公募について
 IPA: 2009年 5月15日
 http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/news/koubo_20090515.html

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ビデオゲームにおける消費者保護の必要性

欧州では,ビデオゲーム(インターネット上のオンラインゲームを含む。)について,開発者の利益と消費者の利益との間に適正なバランスを確保することが必要だと論じらているようだ。

 EU proposal could 'stifle' games
 BBC: 15 May 2009
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/8044125.stm

日本ではまだこのような議論はほとんどないかもしれない。しかし,オンラインゲームが世界規模で提供可能なこと,日本製のゲーム機で作動するゲームコンテンツは世界中で利用される可能性があることなどを考えると,日本の企業や開発者も全く無関係というわけにはいかないだろうと思う。

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Googleがサービス提供上の不具合について謝罪

BBCは,Googleのサービス提供の遅延等の不具合がトラフィックによるものであり,システム上の問題に起因するものだとして謝罪したことを報じている。どのISPでも潜在的には常にあり得ることではあるけれども,世界規模でサービスを提供すると,世界規模で苦情が寄せられることになるという一例かもしれない。

 Google apology for slow service
 BBC: 15 May 2009
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/8051262.stm

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2009年5月15日 (金曜日)

Windows 7 海賊版によるボットネット

報道によると,Windows 7 試用版の海賊版に仕組まれたプログラムによって,巨大なボットネットが形成されてしまっているようだ。おそらく,Windows 7 に限らず,有償ソフトウェアの海賊版や無償ソフトウェアなどには同じようなものが仕組まれている可能性があり,ボットネットの規模はとんでもないくらい巨大化しているのではないかと推測される。

 「Windows 7」RC版の海賊版がボットネットを形成
 CNET Japan: 2009/05/15
 http://japan.cnet.com/news/sec/story/0,2000056024,20393165,00.htm

情報セキュリティは,新たな段階を迎えていると断言して良いだろう。

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2009年5月14日 (木曜日)

総務省:情報通信審議会 情報通信政策部会 通信・放送の総合的な法体系に関する検討委員会

総務省のサイトで,情報通信審議会情報通信政策部会通信・放送の総合的な法体系に関する検討委員会(第16回)関連の資料等が公開されている。

 議事概要
 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/houtai/12927.html

 配布資料
 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/houtai/12930.html

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2009年5月 8日 (金曜日)

電子煙草まで禁止措置とは・・・

電子煙草なるものがある。これは,煙草に似せた電子器具であり,タバコを吸った気分にはなるがタバコではないので,周囲に対して発がん性物質や煙などを吸引させてしまう害は一切ない。しかし,北海道のJRでは電子タバコまで禁止にしてしまったらしい。「禁煙」や「嫌煙権」の本来の理由などを考えてみると,何か変だ。

 本物そっくり「電子タバコ」 JR北海道が禁止で論議呼ぶ
 JCASTニュース: 2009/5/ 7
 http://www.j-cast.com/2009/05/07040708.html

私個人としては,タバコよりも「声」のほうがもっと有害だと思っている。通勤電車で疲れて揺られているときなどは特にそうで,無神経に携帯電話で通話をしている人々,他人の悪口ばかりが耳についてしまうくだらないおしゃべりに夢中になっている人々などが近くにいると,ついムカついてしまうことが多い。あまりにもひどいときには(逆ギレされて殺される危険性があることも省みず)それとなく注意をすることもあるが,たいていの場合,無視される。他人のくだらない無神経なおしゃべりは,これだけきつい社会の中で必死になって働き続け疲れきっている者にとっては極めて有害な存在なので,むしろ,電車の車内では一切声を出さないよう「禁発声」という制度のようなものを導入してもらいたいくらいだ。

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Amazonの新型電子書籍用端末

Amazonでは,約75,000冊の書籍をダウンロードして読むことができる新型の電子書籍端末を発売するそうだ。この新型端末は従来の製品と比較するとかなり大型の画面になっている。電子ブックと言えば小型のPDAのようなものを想像しがちだが,逆の発想から製品開発をしているのではないかと想像する。もしかすると,このようなタイプのものが今後の主流になっていくかもしれない。

 米アマゾン・ドットコム、電子書籍用端末「キンドル(Kindle)」に9.7型の大型液晶搭載の新モデル
 RBB: 2009年5月7日
 http://www.rbbtoday.com/news/20090507/59685.html

それにしても,新刊書を含め,かなり多くの書籍が電子的なものとして購読可能な時代が到来したということになると,出版社のあり方などにも大きな変化がもたらされざるを得なくなってきているのではないかと思う。

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2009年5月 6日 (水曜日)

カナダ:合衆国の著作権侵害要警戒国リストに対する反応

アメリカ合衆国には,著作権侵害行為が多発する国として警戒を要する国のリストがある。その中にはカナダが含まれている。このことについての反応に関する記事を見つけた。どこの国であれ,ブラックリストのようなものに掲載されれば,「面白い」と思う国はないだろうと思う。

 Canada's placement on U.S. piracy list just bluster: lawyers
 cbc.ca: May 5, 2009
 http://www.cbc.ca/consumer/story/2009/05/04/tech-090504-priority-watch-list-piracy-copyright-canada-us.html

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米国の対サイバー攻撃ポリシーは不透明か?

米国連邦政府は,サイバー攻撃に対応するものとして各種セキュリティポリシーなどを策定・運用している。ところが,その内容や運用の実際については必ずしも明確でないところが多い。別のことを調べていたら,たまたま,そのことに対する批判的な記事を見つけた。事柄の性質上難しい問題を含むと思われるが(=例えば,自国民に対して情報開示をした場合,攻撃元にも情報開示されることになるので,攻撃を受ける側だけが攻撃をする側に対して一方的に不利な立場となってしまう。),今後の動向に注目したい。

 Greater Transparency Needed In Development Of US Policy On Cyber-attack, Report Urges
 ScienceDaily (Apr. 29, 2009)
 http://www.sciencedaily.com/releases/2009/04/090429132258.htm

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2009年5月 5日 (火曜日)

宗教の教祖をキャラクタにした格闘ゲームが非難を受けて消滅

オンラインの格闘ゲームは数え切れないほどの種類が存在する。しかし,格闘ゲームの中に出てくるゲームキャラクタはどうしても似たり寄ったりのものになってしまうため,利用者を集めるためには特色あるゲームキャラクタを作り出さなければならないことになる。これが行過ぎると,思わぬ非難を受けてしまうこともあり得る。とりわけ,政治と宗教がからむことは,本来ご法度ななずなのだが,無神経にもそういうところに手を出してしまうと大失敗の原因となる。イタリアでそのような事例があったらしい。無神論者であれば興味をもつことさえないかもしれないが,まじめに信仰心をもっている人々にとっては絶対に無視できない出来事もあり得る。そのような場合には,「単なるゲームの世界のことだから」で済まされるわけがない。

 ムハンマドやブッダら対戦…「宗教攻撃」とゲーム変更
 産経ニュース:2009.5.2
 http://sankei.jp.msn.com/economy/it/090502/its0905021053000-n1.htm

ちなみに,この問題と少し似たようなことは「児童ポルノ」の場合にも発生し得る。ビデオゲームであろうとアニメーションであろうと何であろうと,児童性愛者の性的好奇心を刺激し,その予備軍を醸成し,結果的に児童に対する性犯罪を増やす危険性がある場合には,「児童ポルノ」またはそれに類するものとして処罰されたり警戒されたりすることになるだろう。



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ニュージーランドの著作権法改正は失敗か?

ニュージーランドでは,改正された著作権法が施行された。ところが,様々な混乱が発生し,議論を呼んでいる。失敗かもしれないという見解もある。

 Five things New Zealand's copyright law rewrite must cover
 ars technica: May 3, 2009
 http://arstechnica.com/tech-policy/news/2009/05/nz-to-toss-copyright-law-start-from-scratch.ars

観念的・抽象的にはうまくいきそうなことでも,現実に制度を運用するのは人間であり,コンピュータ・システムやデータベース・システムや苦情処理を管理・担当しているのも人間だし,現時点では意味論的解析の理論(とりわけ状況と文脈による意味と機能の変化)及び工学的応用それ自体が全く不可能である以上(←理論構築及び工学的アプローチの前提として,人類全ての認識と語彙を理解し処理できるだけの神がかりともいうべき莫大な教養といかなる文学者よりもはるかに優れた「コトバ」のセンスをもった人間でなければ,意味論的処理をするための極めて簡単なシソーラスを構築することさえ全くできない。辞書に印刷されていることを並べ替えるだけでは何の効用もない。),コンピュータプログラムによる違法コンテンツや違法サイトの自動識別(「コンテンツやストリームのフィルタリングを含む。)など到底成功するはずがないので,どうやっても「ある程度の緩み」をもった制度設計しかできないはずなのだが,なにごと理想論を追求すると,様々な問題が出てくる。

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2009年5月 4日 (月曜日)

諜報機関はインターネット上の通信を傍受しているか?

英国では,諜報機関がインターネット上の通信を「スパイ」しているのではないかとの疑惑が生じ,政府の通信大臣がそれを否定する声明を発表したようだ。

 Agency denies internet spy plans
 BBC: 4 May 2009
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/8032367.stm

常識的に考えると,その能力が存在する限り,国防目的や治安目的であっても通信を絶対に傍受していないと断定できる国はない。独裁主義の国では傍受しなければ政権を維持することができないのは当然のことだけれど,民主主義の国であっても支配のメカニズムは基本的には異なることはないから,「結局,同じだろう」と考えることはそれほど困難なことではないだろう。ただし,建前としては「通信の秘密」が存在するので,本音と建前との距離がどれくらいあるのかという程度問題に帰着することになるのかもしれない。そして,更に問題なことは,仮に自国の政府が通信傍受を全くしていなかったとしても,非常に多くの外国政府が勝手に通信傍受をしている可能性は否定しようがないということだ。このことをどう考えるのかが今後の世界を考える上でもかなり重要になってくるのではないかと思われる。

さて,では個々の国民としてはどうやって自分を防御すべきかが課題となさざるを得ないのだが,その答えはすこぶる単純かつ簡単だ。「インターネット上の通信を利用しない」ということに尽きる。

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2009年5月 1日 (金曜日)

携帯電話の通信記録保存期間を延長

携帯各社は,振り込め詐欺などの犯罪の証拠となり得る通信記録の保存期間を延長する措置を講ずると決定したようだ。これは,警察からの要請によるものらしい。

 携帯電話各社が通信記録の保存期間を6カ月に延長へ--“振り込め詐欺”対策
 CNET Japan: 2009/05/01
 http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20392638,00.htm

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クラウドコンピューティングの採算性

ZD Netに下記の記事がでていた。

 マッキンゼー、大企業のクラウド移行に「待った」
 ZD Net Japan: 2009年4月23日
 http://japan.zdnet.com/news/nw/story/0,2000056190,20392175,00.htm

経済性・採算性の問題は,単にノーマルな運用時のみならず,リスクが顕在化した場合の復旧コストや第三者に損害を発生させた場合の損害賠償額及びそれを補填するための損害保険の額などを総合的にとらえた上で判断しなければならないので,純粋理系の人間には絶対に判らないタイプの問題の一つなのだが,世の中,現実にはそうでもないところに様々な混乱の原因があるように思う。全くもって無責任な楽観論が多すぎる。

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